船酔いの介抱の段 ページ18
「ありがとうございます…!」
重さんはきっと本心で言ってくださっていると思う。
少しでも恩返しできるようにお手伝い頑張ろう!!
「そうだ、私に敬語使わなくて大丈夫ですよ!恐らく私の方が歳下ですし」
「そうなんですか?お幾つですか…ってすみません!女性には歳を聞くなって義丸の兄貴から教わってたのに!!」
「あはは、義丸さんは女性の扱い上手そうですね。歳は聞かれても全然気にしません!十六です!」
「じゃあ一つ下なんですね!ええっと…そしたら敬語は無しにしようかな?」
「はい、そうして下さい!」
重さんは照れたように頬をポリポリとかいた。
「そんな変わらないし、Aさんも敬語外してくれないかな…?それから、俺のことは重でいいから!」
「それじゃあ…。私のこともAで大丈夫だよ」
「A!改めて宜しくな!」
「うん!宜しくね、重!」
「それじゃあ俺は仕事に戻るけど、なんかあったら遠慮なく言ってくれよ!」
「わかった!」
重は元いた場所へと走って戻っていった。隣の赤茶色の髪の人に声を掛け、
第三協栄丸さんは皆の事を見渡せる位置で監督し、適宜指示を出しておられるようだ。
「第三協栄丸さん、私にも何かお仕事ありませんか?」
「ん!?手伝ってくれるってのか?そうだなあ…」
辺りを見回して私に適した仕事を見繕っていると、視界の先に誰かがふらつきながらやっと歩いているのが見えた。
「おや、あれは
「それは大変ですね…!分かりました!」
積んである桶の一つを持って走り寄る。白南風丸さんは近付けば近付くほど、忍術学園のあの人によく似ていた。
「八左ヱ門!」
「……ひ、人違いです…」
「ですよね!!すみません知り合いに似てましてつい……って今そんな事どうでもいいですね!陰になるところに移動しましょう!」
「ハイ…うっぷ」
小屋の裏側が程よく休めそうな陰があったので、そこまで肩を貸して、小屋にもたれ掛けさせるようにして座ってもらった。
桶を差し出すと、それを抱え込むように前屈みになって唸っている。
「大丈夫…ではないですよね。手拭い濡らしてきますから待っていて下さい」
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玉虫厨子(プロフ) - 炭酸さん» わ〜〜!めちゃくちゃ嬉しいコメントありがとうございます!!私もタカ丸さん出てくる場面は筆が走ります!まだ先の話になりますがいつかはタカ丸ルートも書きたいので、どうか気長にお待ち頂ければと思います。 (9月21日 8時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - ああああああ面白すぎて一気に読んでました!!最高すぎます、神はここにいた、、、特にタカ丸君が出てきてくれる作品を今だに出会えてなくて、それがやっと出会えて!!しかも神作で!!!本当ありがとうございます!!大好きです!! (9月15日 2時) (レス) @page30 id: 5dbdfb3851 (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - れなさん» て、天才…!?恐縮です…!お気に召したようで私も嬉しいです。完結まで宜しくお願い致します! (9月9日 2時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 文才天才すぎます、、めちゃくちゃ好きです、ときめきも笑いも盛りだくさんでとっても好きです、、これからも更新楽しみにしてます!完結までぜひついて行かせてください。 (9月8日 15時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
イリア(プロフ) - コメ返ありがとうございます!鹿之助さんや清八さんなど他ではなかなか拝む事が出来ないキャラを出して下さるのもすごく感激です!キャラが出るたびワクワクして読ませて頂いてます!どうか玉虫様のご無理のないペースでお待ちしてます、これからも応援しています! (9月7日 23時) (レス) id: 97fc43e259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉虫厨子 | 作成日時:2023年9月4日 4時