其の参(兵助視点) ページ22
俺はいい夢を見た。
豆腐上人という僧侶に出会い、まだ俺の知らない豆腐を見せてもらった。それは柔らかいのに弾力があり、決して型崩れしない不思議な豆腐だった。
だけど目覚めがやって来て、不思議豆腐は夢の中の産物なのだと落胆したと同時に、尚も掌に不思議豆腐の感触があり、俺は自分の目を疑った。
「なっ、え!?」
不思議豆腐はAの胸だったのだ。つまり俺は、夢を見ている間、Aの胸を触り続けていたと…。
「ん…どしたの、兵助」
「か、勘右衛門…俺はとんでもない事を…!」
全て事情を話すと、勘右衛門はわなわなと震えて俺の両手の掌をバシバシと殴り始めた。
「ふっざけんなよおお!わざとじゃないとは言えお前だけいい思いしやがってえええ!どうだった!フワフワか!?モチモチか!?今からお前の掌の感触の記憶を全部消し去ってやるからなぁあ!!」
「ごめん!ごめんって!」
騒いでいるとAが身じろぎした。
「ふぁ…おはよう二人共」
「A!!!本当にごめんなさい!!!」
「ファ!?ななな何!?どうしたの!?」
いきなり土下座をする俺にびっくりした様子で、俺から距離を取るA。
「豆腐と間違えて、Aの胸をしばらく触ってしまいました!!!」
「えっ…えええ!?そんな事ある!?」
「俺の事殴ってくれていい!!むしろ殴って欲しい!!」
「いや…大丈夫だよ、覚えてないし。
黙ってたら分からなかったのに、わざわざ伝えてくれるあたり、兵助らしいね?」
「許してくれるのかい!?」
「うん、わざとじゃないし、きっと寝相悪くて迷惑かけてるだろうし」
「ありがとう!!責任は取るから…!!!」
「せ、責任???」
「俺、きっといい所に就職して、Aの事幸せにするから…!!」
「ぶっ飛び過ぎ〜!!!」
「いいや、婚前の女の子の胸に一度ならず二度までも触れてしまったんだ、俺はもうAを娶るしかない!!」
「気にしないでね!?ちゃんと好きな人と添い遂げてね!?!?」
「これからAを好きになるから!!」
「無理にならんでいーわっ!!
昨日慰めてくれたからそれでおあいこで!!
勘ちゃん、後よろしく!」
逃げるように退室するAを追いかけようとすると、勘右衛門に頭をどつかれた。
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玉虫厨子(プロフ) - 澄香さん» コメントありがとうございます!需要あってよかったです!! (5月8日 6時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
澄香 - いけいけどんどん!!!出茂鹿之介の需要ありまくりです!!!! (5月8日 1時) (レス) @page50 id: b225fd04a2 (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - あもさん» ありがとうございます💓 (12月18日 9時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - ヤバい/// 出茂鹿・・・好きッ♡♡♡♡♡♡♡♡ (12月18日 8時) (レス) @page48 id: 769dab171c (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます! (9月4日 4時) (レス) @page50 id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉虫厨子 | 作成日時:2023年8月21日 7時