其の弐 ページ3
「あははっ!じゃあ浜君も呼んで比較してみる?」
「絶対に嫌だ」
「留三郎ったら、私のくだらないダジャレで笑わない自信がないんだ?」
「違う、俺はお前と二人でゆっくり話したいんだっつの!」
少し怒ったように身を乗り出して言う。
うん、確かに仔犬扱いしたり、二つ歳下の後輩に例えたりちょっと失礼なことを言い過ぎたな。
「ごめんね」
「いや、別に怒っちゃいねえよ」
「しかしこんな雰囲気のいい場所、逢引きスポットになってそうだよね」
「そうか?」
「忍たまとくのたまちゃんが付き合っていてもおかしくないでしょ?私なら月見亭で会おうって言うと思うなーって」
「いやー、実際はしんべヱくらいじゃないか?忍たまとくのたまはそこまで仲良くはないからなぁ」
「えっ、しんべヱ君ってくのたまちゃんと付き合ってるの!?」
「ちゃんとした付き合いかどうかは知らんが、大川シゲと互いに好いているのは本人同士も含めて周知の事実だ」
「おシゲちゃん!?お似合い過ぎるぅぅぅ!!」
わ〜〜もうキュンキュン止まらんね!!お姉さんは陰ながら応援してるからな!!
「そのまま関係が続いて幸せになって欲しいね!」
「フッ。そうだな。俺も委員会の先輩としてそう思うよ」
「そっか、しんべヱ君は用具委員会だもんね」
「ああ。でもAの事も気にかけているぞ。お前は日を追う毎に誰かしらから惚れられてるからな。俺と伊作も目を光らせておかんと」
「日を追う毎にって、大袈裟な…」
「ハァ。んじゃお前が把握しているだけでいいから、お前に好意を寄せている人を挙げてみろ」
「小平太でしょ、鹿之介さんでしょ、利吉さんに…あとタカ丸君だね」
「思った通り、Aって鈍感なんだな」
「そ、そう!?」
「他にコイツやけに距離が近いな、とか思う奴いないか?」
「それはしょっちゅう思うけど、今と未来の感覚の違いかなって。それと友達として認められているのかなって思って嬉しかったんだけど…」
「それ、大抵好意あるから気を付けろよ」
「ええ?いやまさか…」
留三郎は急に真剣な目つきになった。
「例えば、俺がこうしたら──」
月見亭の床についていた私の右手の指に、留三郎の左手の熱い指が絡められる。
「どう思う?友達としてやっていると思うか?」
「例え話って分かってるから思わないけど……」
絡められた指にきゅ、と力が込められる。
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玉虫厨子(プロフ) - 澄香さん» コメントありがとうございます!需要あってよかったです!! (5月8日 6時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
澄香 - いけいけどんどん!!!出茂鹿之介の需要ありまくりです!!!! (5月8日 1時) (レス) @page50 id: b225fd04a2 (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - あもさん» ありがとうございます💓 (12月18日 9時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - ヤバい/// 出茂鹿・・・好きッ♡♡♡♡♡♡♡♡ (12月18日 8時) (レス) @page48 id: 769dab171c (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます! (9月4日 4時) (レス) @page50 id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉虫厨子 | 作成日時:2023年8月21日 7時