【忍たま】君の想いは花筏【共通話５】 (ページ19)

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其の陸（勘右衛門視点）ページ19

「三郎、Aちゃんに言う事あるよね？？？」

雷蔵が年に一回見せるかどうかの激怒の顔をしている。

「ヒェッ…ごめんなさい」

「僕にじゃないでしょ？」

「A…その、すまない」

「……いいけど、またおかしな事したら雷蔵君に言いつけるからね」

「うん！いつでも話して！」

「でもなんで俺だけ！？八左ヱ門なんて抱き締めたり横抱きしたりしてるだろ！？勘右衛門だって耳責めしたとか、兵助に至っては押し倒して胸に顔埋めて！！どう違うってんだよ！？」

「へ！？皆いつの間にそんな事に！？」

初めて知った雷蔵は驚いている。

「いやいや、俺は事故だよ…！」

うん、確かに兵助だけは事故だな。

「答えろA！私とこいつらのした事の違いを！」

「三郎は私の事嫌ってるでしょ。悪意を持ってそういう事されるのは嫌なの！」

「っはあ！？私がお前を嫌っている！？一体誰がそんな事を！？」

「別に言われなくても、態度で分かるし…」

「全くの誤解だ！私は別にお前の事嫌ってる訳じゃないぞ！？鬼ごっこ大会の時だってお前の食べたい物を食べさせてやろうと思って譲ってやったろ！？嫌いな奴にそんな事するか！？」

「そうだな、三郎は女子に対して不器用な天邪鬼だもんなー」

「そうそう、好きな子は虐めたいタイプで反感買ってそうだよな」

俺と八左ヱ門が助け舟を出した。

「へえ、三郎って私の事好きだからそんな態度だったんだ」

さらっと言うと、団子を頬張った。

「いや待て、私は好きだとも言っていないからな！？」

「ふーん」

興味なさげに三郎から視線を外して咀嚼する。

「お前なあ、もう少し関心を持てよ！！」

「関心持ったらつけ上がりそう。あと三郎の本心は割とどうでもいいかな…」

「どっ、どうでもいいだとぉ！？何だこの女は！？お前達がAに関心を寄せる意味が分からん！！」

三郎は興奮して出て行ってしまった。

「ご、ごめんね本当に…。三郎ってばこういう所あるから…」

「気にしてないよ。私も結構煽ったからね。さて、私は着替えてくるよ。勘ちゃんお団子ご馳走様」

「ああ、今日はありがとう！また夜な！」

紅一点が去った後は、他の人間が去るのも早かった。あっという間に団子は完食、部屋には兵助と俺だけになった。

「なあ、兵助にだけは今日起きた事、話しておこうと思うんだけど──」

団子屋での出来事を兵助は静かに聞いていた。

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