六年は組の夜間護衛の段 ページ2
「くーっ!今日は我ながらよく働いたなぁ!」
労働の後の湯浴みは格別だ。
今からお風呂上がりに首に手拭い引っ掛けて、ベランダでガーデンチェアに座ってビール片手に打ち上げ花火でも見たい気分だ。ビール飲んだことないけど。
今夜も、忍たまと一緒の部屋で夜を過ごす。
お風呂上がりに伊作君達の部屋へ向かうと、留三郎が部屋の前の縁側に座って月を眺めていた。
「よう、A」
左隣をポンポンと叩き、私に横に座るよう促した。それに従って座ると、留三郎はまた月を眺め始める。
「随分風流なことしているね」
「武闘派なのに月見だなんて似合わねえとか思ったか?」
「そんな事思ってないよ!」
「はは、冗談だ。こんな日は外で月を見たくなるんだ」
「こんな日って?」
溜息を一つついて、自室の戸を恨めしそうに見る。
「伊作が薬を作っている日」
「え、薬を?自室で?」
「ああ」
「見たい見たい!!」
弾けるように立ち上がる私の右手首を留三郎が掴む。
「ん?」
「あ……いや、二人でちゃんと話したこと無かったなと思って……。ダメか?」
つまり、月でも見ながら語らおう、と。
視線を泳がせながら照れたように
キリッとした凛々しい眉は今日は困り眉だ。
「…ふふ、可愛い〜」
「はあ?どこが」
「なんか仔犬みたい。よしよし、お姉さんが相手してやるぞ!」
「歳一つしか変わらんだろ!」
「一つでも上なら姉上でしょ」
「いつ俺の姉になったんだよ」
「ついさっき〜」
年下扱いされてふくれる留三郎はとっても可愛い。この顔を写真に撮って残しておきたいくらい。
「…姉なら、可愛い弟の頼みを聞けるよな?」
◆
その頼み事というのが、もっと静かな所で月見をしたいというもので、留三郎にしてはやっぱり少し意外だなと思ってしまった。
忍術学園の池の
「月並みな言葉だけど、綺麗だろ?」
「月見だけにね」
「ブフッ…」
この程度で笑う?浜君と変わらなくない?
「お前、冗談とか言う奴だったんだなぁ」
「留三郎こそ、こんなくだらないダジャレで笑っちゃうんだね。浜君みたい」
「おいおい、俺を守一郎と一緒にするなよ!」
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玉虫厨子(プロフ) - 澄香さん» コメントありがとうございます!需要あってよかったです!! (5月8日 6時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
澄香 - いけいけどんどん!!!出茂鹿之介の需要ありまくりです!!!! (5月8日 1時) (レス) @page50 id: b225fd04a2 (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - あもさん» ありがとうございます💓 (12月18日 9時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - ヤバい/// 出茂鹿・・・好きッ♡♡♡♡♡♡♡♡ (12月18日 8時) (レス) @page48 id: 769dab171c (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます! (9月4日 4時) (レス) @page50 id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉虫厨子 | 作成日時:2023年8月21日 7時