其の肆 ページ38
「随分と叫び散らしましたね」
「そ、そうだった！！お留守とは言え人様の土地だった…」
「何はともあれまず一匹。おめでとうございます」
「ありがとう！！」
「ところでAさん、一つ質問があるんですが。
虫の扱いに不慣れなようですが、もしかして未来には虫はいないんですか……？」
「いるよ！！いるいる！！たくさんいるから安心してね！！」
そう言った時、孫兵君がはっとした顔をしたと同時に何者かに突然背後から結ってある髪を掴まれた。
「くぉら！！人の畑で何やっとるかァ！！！」
「ぎゃあああああ！！？」
「──って、何じゃお前達か」
「わあ！大木雅之助先生、ご無沙汰しております！」
「伊賀崎孫兵に乱太郎、三治郎、虎若！久しぶりじゃなー！」
どうやらこの土地の持ち主が帰ってきたらようだが、私の髪は掴まれたまま。
「あの、その手を離して差し上げて下さい。怯えてます」
「ああ、すまんすまん！野菜泥棒かと思ってなあ！大丈夫か？」
髪は解放されたが、今度は至近距離で顔を覗き込まれ、私は再び萎縮した。
「んん？見覚えのない女子だ。お前さん、くノ一教室に編入でもしてきたのか？」
「いえ、忍術学園のただの居候です…！」
「居候？」
そこを突っ込まれると長いのでこちらから本題に入った。
「ええと、大木雅之助さんですよね。私、Aと申します。事後報告になり申し訳ないですが畑でイナゴを捕らせて頂いておりました。たくさん捕まえたいのですが引き続き虫取りさせて頂いてもよろしいでしょうか？」
「ああ構わん！ど根性で好きなだけ捕っていけ！」
「ありがとうございます！」
お礼を言って再び畑へと足を踏み入れようとすると、目の前の草むらからイナゴが一匹飛び立ち、それが頰を掠めていったので驚いて尻餅をついた。
「うぎゃあああ！？」
「何じゃ、イナゴ捕りに来た癖してイナゴが怖いのか？」
「うう……そうなんです……わあ、ありがとうございます」
手を引っ張り起こしてくれた。
「苦手なら奴らに任せておけばいいだろう」
「そういう訳にはいかないです！私がイナゴ料理を作るのに手伝ってもらっているんです。なのに当の私が何もしない訳には！」
「苦手な食材使って料理するのか。難儀な奴じゃなぁ」
「大切な人の好きな料理なんです。もうすぐお別れなので、苦手でも日頃のお礼に頑張りたいんです」
「そのど根性、気に入った！ワシも手伝ってやる！」
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玉虫厨子(プロフ) - 麗羅さん» わー！一気読みありがとうございます！ 私もどんなエンドを迎えるのか言いたくてうずうずしてしまいます笑 (2月14日 20時) (
レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
麗羅(プロフ) - すごく面白くて、一気に読んでしまいました！どうなってしまうんでしょうか…。ハッピーエンドじゃなかったら悲しすぎる！笑 (2月14日 10時) (レス) id: 06bc0a6cee (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - Maさん» いつもありがとうございます💓楽しんで頂けて何よりです！ (2月13日 22時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - ねこさん» コメントありがとうございます🙇夢中とのことで嬉しいです！どのような結末にするかは決めているので、メッセージで質問頂けたらお答えできます！ (2月13日 22時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
Ma - 鬱展開なのか...それとも...んでも！！めちゃおもろいです！ (2月13日 22時) (レス) id: 8c9f415f7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉虫厨子 | 作成日時：2024年2月2日 21時
