光陰矢の如しの段 ページ33
私の予感した通り、毎日が瞬く間に過ぎ去っていった。
この一週間で喧嘩していた三郎と八左ヱ門は一晩かけて話し合ったそうで無事和解をしたし、勘ちゃんが頸斬りを提案して通ってしまったことで思い詰めてしまっていたから私と勘ちゃんも話し合ってもう気にしないと言ってくれた。
この時代は当然ながら電灯などない。夜更かしするにも油を消費してしまう。だから暗くなれば出来ることが限られる。大抵は寝るのみ。これは未来人の感覚、とりわけ別れを控えた私にとっては非常に勿体無いことのように思えて仕方がない。
そうは言っても夜は訪れるので、八左ヱ門と話した後はこの時代でやり残したことをじっくり考える時間となった。
(忍術学園の皆、兵庫水軍、加藤村に佐武村。皆さんにはとてもお世話になったのに、恩を返せてないのが一番のやり残したことだなあ……)
「それなら送別会で料理を振る舞ってはどう？」
朝餉の後片付けを手伝っていると、食堂のおばちゃんが提案した。
「はい。もちろんたくさんお手伝いするつもりです！」
「ううん、そうじゃなくて。何か一品、Aちゃんが一から作るのよ。そうすればささやかかもしれないけれど来て下さった皆さんに一遍に恩返し出来るわよ」
「なるほど…！やってみたいです！」
「フフフ、何を作るか決まったら教えてね。こちらで用意する料理と被らないようにしなきゃ。私は手出ししないから、頑張るのよ」
「はい！でも何を作ればいいでしょう…？」
「メニューを決めるのも料理のうち！料理の作り方なら教えてあげるけど、何を作るかはAちゃん自身で決めなさい」
「分かりました！」
スーパーなんて無いから食材の調達も大変だし、早めに決めないと。
木陰で考えていると、背後から声が掛かった。
「難しい顔して何か考え事？」
そこには豆腐を乗せた
「兵助こそどうしたの？」
「俺は配合を変えた新作の豆腐を味見して貰いたくて勘右衛門を追ってたんだけど、見失っちゃって」
「あはは、兵助らしいや。私は送別会で何か一品作ることになって、何がいいか考えてたの。兵助は何が食べたい？」
「うーん、俺なら豆腐料理がいいなぁ〜！しかも俺の手作り豆腐を使った料理！どう！？」
ずい！と笊を差し出す兵助。
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玉虫厨子(プロフ) - 麗羅さん» わー！一気読みありがとうございます！ 私もどんなエンドを迎えるのか言いたくてうずうずしてしまいます笑 (2月14日 20時) (
レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
麗羅(プロフ) - すごく面白くて、一気に読んでしまいました！どうなってしまうんでしょうか…。ハッピーエンドじゃなかったら悲しすぎる！笑 (2月14日 10時) (レス) id: 06bc0a6cee (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - Maさん» いつもありがとうございます💓楽しんで頂けて何よりです！ (2月13日 22時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - ねこさん» コメントありがとうございます🙇夢中とのことで嬉しいです！どのような結末にするかは決めているので、メッセージで質問頂けたらお答えできます！ (2月13日 22時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
Ma - 鬱展開なのか...それとも...んでも！！めちゃおもろいです！ (2月13日 22時) (レス) id: 8c9f415f7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉虫厨子 | 作成日時：2024年2月2日 21時
