其の捌 ページ15
「せっかく八左ヱ門もそう言ってくれているし、帰ろうと思う」
私、今どんな顔して発言しているだろう。
うまく笑えているかな。
「待てッ！早まるな！竹谷の意見が全てではないだろう！ここに居たければ居ていいんだぞ！なんなら私が養う！！」
仙蔵が立ち上がった。すると、留三郎と伊作君もそれに続く。
「いや俺に一生面倒見させてくれ！」
「僕なら寂しい思いなんて絶対させない！！」
義憤にでも駆られたのだろうか、忍たま達が騒ぎだした。皆本当に優しい。今日ばかりは浮気したくもなるなぁ。
「なあ意地張ってんだろ！？竹谷と別れて素直になれ！！」
「何も今すぐ決めなくていい！帰りたくなったらいつでも帰れるって気持ちを持ったままこの時代で生きてくっていう手もある！」
それまで三禁を重んじる文次郎君は我関せずと腕を組んでじっと下を向いていたのに、何かを我慢出来なくなったようで、拳で机を叩き割ってしまった。
「竹谷ァ！！貴様撤回しろ！！Aに気がある人間は忍術学園内外に山ほどいたんだぞ！！相手がお前だから皆身を引いたんだ！！その意味が分かるか！？」
それに同じ会計委員会の後輩の涙目の三木が援護する。
「そうだ！！あんたはAさんの気持ちを踏み躙ったんだ！！本当に帰ってしまったらあんたのせいですよ！！」
「Aが残りたいなら残ればいいです。俺と別れたいなら勿論応じます。突き放すようなこと言う男、別れて当然だと思います」
「テメェ！！それでも男か！？一度手ェ出したならその女に責任持ちやがれ！！」
文次郎君が八左ヱ門の髷を思い切り掴んで揺さぶった。その手を長次が掴む。
「もそ、文次郎、やり過ぎだ」
「元はと言えば長次がこんな文献持ってくるからだろうが！？」
「予め学園長先生には相談した。しっかりと事実を伝え、A自身が見定め、決めるべきとおっしゃられた。Aの望むようにさせなさいと」
ああ。だから私は町へ行かせて貰えたんだ。私が望んだから。
或いは、もう最後だからと好きなようにさせてくださったのだ。
「Aの帰るという言葉が本心だと本気で考えてやがるのか！？だとしたらお前は忍者失格だ！！」
「本心であろうがなかろうが、そう発言すると決めたのはAだ。我々はそれに準ずるまで。
お前こそ、情に絆されているようでは忍者に向かないのではないか、文次郎」
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玉虫厨子(プロフ) - 麗羅さん» わー！一気読みありがとうございます！ 私もどんなエンドを迎えるのか言いたくてうずうずしてしまいます笑 (2月14日 20時) (
レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
麗羅(プロフ) - すごく面白くて、一気に読んでしまいました！どうなってしまうんでしょうか…。ハッピーエンドじゃなかったら悲しすぎる！笑 (2月14日 10時) (レス) id: 06bc0a6cee (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - Maさん» いつもありがとうございます💓楽しんで頂けて何よりです！ (2月13日 22時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - ねこさん» コメントありがとうございます🙇夢中とのことで嬉しいです！どのような結末にするかは決めているので、メッセージで質問頂けたらお答えできます！ (2月13日 22時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
Ma - 鬱展開なのか...それとも...んでも！！めちゃおもろいです！ (2月13日 22時) (レス) id: 8c9f415f7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉虫厨子 | 作成日時：2024年2月2日 21時
