其の弐（三郎視点） ページ10
タソガレドキの負傷者が続々と救護所に詰めて手狭になった事もあり、Aを探してみようと外へ出た。
もし利吉さんに捕まっていれば邪魔してやろうかな、なんて悪戯心が芽生えていたが、忍たまと立ち話をしていたようでその姿をすぐに見つけた。
手の包帯の巻き直しを誰に頼むかで後輩二人が盛り上がっていた。兵太夫は立花先輩か綾部、三治郎は八左ヱ門を勧めている。それぞれ自分の所属する委員会の先輩だからな。
それに対しAは学園に着くまで我慢すると言うが、後輩二人は納得していない様子。
「ならば私が巻き直してやろう」
「鉢屋先輩！」
最初に通りがかった上級生だし？私がやるのが自然な流れだよな？
「いいよいいよ、忍術学園に帰ったら替えてもらうから。頭を打った雷蔵についててあげてよ」
あれ、いつの間に雷蔵を呼び捨てするようになったんだ。雷蔵もああ見えて行動しているって事か。
「手先の器用さなら学園随一だぞ。包帯くらいササッと巻き直してやる」
「へえ、三郎って手先器用なんだ？」
「私を誰だと思ってる？千の顔を持つ男、本物と見紛う精巧な面を千枚作ってきたんだぞ」
「なるほど、それは確かに器用だね！じゃあササッとお願いできる？」
「救護所は人が多過ぎるから、そこの民家でな」
後輩達がニタァと気味の悪い顔で顔を見合わせ互いに頷くので彼らにしか聞こえないよう「覗くなよ」と言うと、つまらなさそうに短く返事をした。
「無事利吉さんの元から帰って来れたんだな。安心した」
「え？何で？」
「いや、あの人欲求不満だろうし」
「よっ……！？いやいや、そんなの分かんないでしょ……」
僅かにAの目が泳ぐ。やはり利吉さんもただでは帰さなかったか。勘右衛門からは小松田さんを使ってどの忍たまとどんな様子だったか報告させてるって話だったし。
「押し倒されてたもんな」
ほんのカマかけ、しかも冗談のつもりだったのだが、肩を揺らして動揺した。
「……おいおい、図星かよ？」
「いや〜…押し倒したのは私のだけど…」
「はあ！？お前が！？」
「うん……別に変な意味じゃないけど」
「変な意味だろ！それ以外に何があるんだよ！？」
「悔しかったからさあ〜……」
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玉虫厨子(プロフ) - コトハさん» こちらこそ最後までお読み頂きありがとうございます！鉢屋とのやり取りを気に入って頂けて嬉しいです☺️鉢屋はどうしても書きたいシーンが一つあるので、いつかルートで書けたらなぁと思っています。応援ありがとうございます!! (12月30日 7時) (
レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - ちーさん» とうとう終わりました！連載中は何度もコメントくださりありがとうございました😊そしてこれからも末長く宜しくお願い致します🙇 (12月30日 7時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
コトハ(プロフ) - キャラ皆んな魅力的ですが三郎と主人公ちゃんのやりとりが特に好きだったのでいつの日か三郎のお話も読めると嬉しいです、玉虫様のご無理のないペースでこれからも楽しみに応援しています。長々とすみません (12月30日 6時) (レス) id: 97fc43e259 (このIDを非表示/違反報告)
コトハ(プロフ) - 共通章完結おめでとうございます！ 素敵なお話をいつもありがとうございます！ 作品を読みながらこのキャラとのルートはあるかなっとドキドキしながら想像するのも楽しかったのでこれからキャラ達とどんなルートのお話が読めるのか楽しみです！ (12月30日 6時) (レス) id: 97fc43e259 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - とうとう共通話が終わったんですね！各キャラの分岐の話も楽しみにしています。最後まで愛読させていただきます！ (12月29日 22時) (レス) id: 88a0bb30f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉虫厨子 | 作成日時：2023年12月10日 16時
