いざ凱旋の段 ページ21
「橋が架かったぞー!」
土井先生の声に忍たま達は沸いた。
やっと忍術学園に帰れる!と万歳する者や、今から長距離歩くなんて無理!と座り込む者、安堵の溜息を漏らす先生など反応は様々だった。
「Aさん、その後どうでした?」
横から話し掛けるのは三治郎君と兵太夫君。また君達かい!?
「ほら、この通り綺麗に巻いて貰ったよ」
「やだなぁ僕達が訊きたいのは包帯の話じゃありませんよ。分かってるでしょ?」
ええ、もちろん分かってますけどね……。
十代なりたてのプレティーンエイジャーにあの刺激的な話をする訳にもいかないので申し訳ないけどお姉さんは今から君達に嘘をつきます。
「何も無いよ。残念だったね?」
「えー?鉢屋先輩が何も手を出さないと思う?」
「思わない〜」
下級生における三郎の印象よ…。
「うん?今私の話をしていたか?」
「あ、鉢屋先輩!」
うわああああこの場をややこしくしそうな人来た
ああああ!
「鉢屋先輩!Aさんと何か進展ありました?」
「ほら、さっき覗くなって言ってましたし!覗かれて困るような事してたんですかぁ?」
「三郎!そんな事言ったの!?」
「だってAは見られても良かったのか?あの場面」
はあああ!?後輩の前で何を言ってるの!?このお馬鹿!!
さてはこの三人は私のことを揶揄ってるんだな!?ならば灸を据えてやろう!
「それ以上この話題を続けるなら、私はもう二度と君達三人とは話さない」
「「「えっ…!」」」
ツンとした態度で放ったこの言葉はどうやら効果覿面だったようで、兵太夫君と三治郎君は慌てて「すいません!」と頭を下げて謝罪した。そして三郎はと言うと、大変に狼狽えている。眉を下げて困惑する姿はまるで雷蔵を見ているようだ。
「あー…やはり、怒っているか……?」
「そうね。素顔見せてくれたら許してあげる」
「え!?いや、そういう訳には…!!」
両手で面を押さえてアワアワするレアな三郎が見られた。うん、お仕置きはこんなもんでいいだろう。
「なんてね、怒ってないよ。だって何も無かったんだもん。そうでしょ、三郎?」
「……あ、ああ」
これでこの場のフォローもできて一安心、と思ったその時、誰かが私の肩に手を置いた。
「Aさん、ちょっとこちらへ来て下さい!」
守一郎が何だか嬉しそうに私の腕を引っ張ってゆく。
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玉虫厨子(プロフ) - コトハさん» こちらこそ最後までお読み頂きありがとうございます!鉢屋とのやり取りを気に入って頂けて嬉しいです☺️鉢屋はどうしても書きたいシーンが一つあるので、いつかルートで書けたらなぁと思っています。応援ありがとうございます!! (12月30日 7時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - ちーさん» とうとう終わりました!連載中は何度もコメントくださりありがとうございました😊そしてこれからも末長く宜しくお願い致します🙇 (12月30日 7時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
コトハ(プロフ) - キャラ皆んな魅力的ですが三郎と主人公ちゃんのやりとりが特に好きだったのでいつの日か三郎のお話も読めると嬉しいです、玉虫様のご無理のないペースでこれからも楽しみに応援しています。長々とすみません (12月30日 6時) (レス) id: 97fc43e259 (このIDを非表示/違反報告)
コトハ(プロフ) - 共通章完結おめでとうございます! 素敵なお話をいつもありがとうございます! 作品を読みながらこのキャラとのルートはあるかなっとドキドキしながら想像するのも楽しかったのでこれからキャラ達とどんなルートのお話が読めるのか楽しみです! (12月30日 6時) (レス) id: 97fc43e259 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - とうとう共通話が終わったんですね!各キャラの分岐の話も楽しみにしています。最後まで愛読させていただきます! (12月29日 22時) (レス) id: 88a0bb30f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉虫厨子 | 作成日時:2023年12月10日 16時