愛情キャビネット【まふまふ】

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誰だかわからないが待たせるのも悪いので女の子に断りをいれてオフィスの入口へ向かう。




気分が下がってきっちりと着こなしたスーツを今すぐに脱ぎたい。



こんな落ち込んでる時に誰だ、なんて少し八つ当たりしてしまう



むすっとした不機嫌100％の顔で行くと




そこに愛しい人の姿が。




「…っAちゃん！！？」




驚いて駆け寄り抱きしめるとAちゃんはビクッと肩を揺らす。



ああ、ぼくいまは表情筋ゆるゆるだろうなあ




『わっ、びっくりした…。』





「なんでいるの？変な男に話しかけられてない？」




外出だからかいつもお洒落な彼女がより一段と着飾っていて可愛らしい。




こんなに愛らしい彼女をそこら辺の男が野放しにするわけないだろう。





『大丈夫だよ、なんでって…お弁当忘れたでしょ？』




はい、とお弁当を渡される。



ほんとに結婚してよかった。流石僕の嫁。




「も〜……ほんっとに…すき。」




愛しさが込上げる。



薬指に嵌められたリングに優越感を覚えた。





『ふふ、じゃあお仕事頑張ってね。』




「うん、気をつけてね？
なんかあったら電話するんだよ。」





『大丈夫だよ、じゃあまたね。』




手を振って分かれる。




渡されたお弁当を片手にそらるさんの元へ行く





自分のデスク近くへ行くと寄ってくる女の子




「まふ先輩奥さんいたんですか！？」





「彼女さんですか？？！」





次々と投げかけられる質問。





なんだ。知らなかったのか。





愛しい愛しい彼女の姿を思い浮かべて答える








「可愛いでしょ？」




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