愛情キャビネット【まふまふ】

2 ページ2

「〜〜で、ここが」



早くお昼にならないかなあ。





「…まふまふ聞いてる？」




のほほんと愛しい奥さんの顔を思い浮かべているとそらるさんがため息をつく。




「…お前さぁ、新婚で奥さんが可愛いのはわかるけど。
仕事に支障出すなよ？」





半分呆れ気味にそらるさんが笑う。




なんだなんだ。あんなに可愛い奥さんなんだからしょうがない。





「わかってますよ〜
今日はAちゃんが張り切ってお弁当作ってくれたんですよ！」




「今日"も"だろ…。
それにしても、あの女の子達まふまふが結婚しても口説きに来るんだから飽きないよなあ」




「まあ僕にとってAちゃん以外は興味無いですけどね」




僕がそう言うとそらるさんはふっと笑ってから資料に目を通す。





・



「お昼だーっ！！！！」




「さっきからうるさかったけどお前腹減ってたの？」




少し伸びをしたらパキパキと節々がなった




そらるさんが肩をポンポンと叩いてくれる。優しい。





「ペコペコですよ！
お弁当たのしみ……ってあれ」





ゴソゴソと鞄を漁るもののお目当てのものは見つからない。




一気に熱が冷めていく。



忘れた……？





「……もう僕今日は生きていけないです」





「えっなに？忘れたの？」




そらるさんが何か言ってるけど何も聞こえない。




コンビニで買ってくればいいものの今の僕は完璧にAちゃんのお弁当しか受け付けない。





「まふ先輩お弁当忘れたんですか…？
良かったら作ってきたのでどうぞ！」





差し出されたお弁当をぼーっと見つめる。




いらない。Aちゃんのじゃないと。





「おーい、相川？
相川に用があるって人が来てるけど。」

3→←1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す