世界が嫉妬する恋 (ページ32)

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♡ ページ32

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「しょおくんはあーいう子がすきなんですね...」

「本人から聞いたわけやないやろ？」

「でも絶対すきじゃないですか〜！！」

飲み干したグラスを机に置いて項垂れる彼女
紫耀とは違って消極的な彼女は本人に直接聞くことなんて
到底無理やろうな、って笑う

恋のキューピットになったる、と言ったからには何とかせんと。

「園田ちゃんはさ、なんで紫耀が好きなん？金？顔？」

「...全部、です。顔だって好きだし、お金は興味無いです。
でも、ふとした優しさとか気遣いとか紫耀くんの笑顔がすきなんです。」

「...烏滸がましいかもしれないけど、紫耀くんが笑顔を向ける相手は私がよかったんです。」

「...ふ、なんや。ちゃんと好きやん。」

「ちゃんとって何ですか〜！？」

むくれたように焼き鳥を頬張る園田ちゃんを横目に携帯を手に取った。

「...やって、紫耀。園田ちゃんは紫耀のこと大好きらしいで」

店に入る前から繋いでいた電話相手。
そう声を掛けても返事は無い。

「おーい、しょ」

「今すぐ行く。」

もう一度声を掛けるとそう言って切れた電話に苦笑する。
園田ちゃんは俺の事なんて気にしていないようで、浮かない顔でSNSを見漁っていた。

「園田ちゃん」

「はい？」

「もーすぐ王子様が迎えに来るで。準備しとかな」

「...永瀬さん、酔っ払ってるんですか」

「園田ちゃんに言われた無いわ」