世界が嫉妬する恋

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「A、終わった？」

「あ、はい！」



SNSの開設が終わり、ファンの子のコメントを見てにやにやしているとマネさんに携帯を覗き込まれる。


瞬く間にフォロワーが増えていき、今はトレンド入りさせてもらってるらしい。新人アイドルなのにありがたいな…なんて胸があったかくなる。




「そういえば、A宛のファンレター。あそこに置いてあるからね」

「ありがとうございます っ、！」



マネさんの指した先にはダンボールの箱から覗く手紙の山。有難いことにデビューさせてもらったばかりの私の事を応援してくれてる人は沢山いるらしい。



携帯を置いて小さく鼻歌を歌いながらダンボールに入った手紙の名前を1つ1つ見てみる。





「…まただ 、」




私の手元にあるピンク色の便箋。宛名は園田A。



送り主の名前には「平野紫耀」の名前





最初は死ぬほど目を疑ったし、びっくりしすぎてマネさんに相談もしたんだけど。何かの嫌がらせやなりすましじゃないか、となって片付いた。




そもそも、同業者の私に 増してや新人アイドルに天下の平野さんがファンレターなんて…って思うし。



それに仮にファンで居てくれたとしたら同じ世界で生きる人間なんだし、直接渡す事だって出来るもんね。




「平野紫耀」さんからの手紙の内容は、他のファンの人と少し違っていた。私の好きなところをぎっしり書いた後にはその日のパフォーマンスの改善点なども教えてくれる。



最初は少し戸惑ったけど、「平野紫耀」さんの言う通りにしてみたらダンスの先生にもボーカルの先生にも褒められるようになった。





「平野紫耀」さんは少しだけ私の中のトクベツな人 なんだ。

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