ボスキ 髪:思慕 長髪の帷に ページ6
偶然、だった。
正直者の俺がいうんだから本当だ。
「…へ。」
ボス「あ？」
フェネスから、大浴場に湯が張ってある
と言われたから、
せっかくだし行ってやろうと思っただけだ。
主様がいるなんて聞いてねえ。
湯煙の中、気まずい空気が流れる。
俺は裸体、主様も素っ裸。
タオルすら巻いてねえ。
ボス「あー…、邪魔したな」
踵を返し、風呂場を出ようとする。
だが、
「一緒に入る？」
主様の誘いは断れねえだろ？
仕方ねえよな、ハウレス。
一応タオルを巻き、
湯船に浸かると、芯から温まっていく。
「ごめんね、入っちゃってて」
ボス「俺はいいぜ」
ちら、と主様を盗み見る。
生憎今日は薔薇香る濁り湯だったから、
期待したものの全貌は見ることができなかった。
チッ…
すると、
「ボスキ、腕は大丈夫？」
ボス「ああ、不便だが、見たほど痛くねえ」
やはり、主様にも思うことがあるらしく、
俺の体に添うように、身を寄せてきた。
柔らかい肌を、生で感じ理性が揺らぐ。
ボス「そうだ、心配してくれんなら
俺の髪の手入れしてくれよ」
理性を保つため、
冗談混じりに言ってみるが、
意外にもその言葉は真に受けられた。
「体も洗おっか？」
ボス「頭から喰われても知らねえぞ」
「ボスキが守ってくれるでしょ」
ため息をついた。
ボス「主様も、このヘアオイル使うか？」
主様も全身にタオルを巻いてあるから、
またしても全裸体を拝めることはなかったが、
濡れた体はそれだけで色っぽい。
好きな女に興奮しねえやつはいねえだろ？
そんな中、主様は
「あ、確かに。これ、ボスキの匂いする」
へら、と俺が欲を抑える間に
呑気なもんだ。
「そういえば、髪下ろしてるボスキって新鮮」
ボス「なんか恥ずかしいな、
あんま見んなよ」
「裸の仲でしょ」
ボス「他の執事にバレたら何言われるか。」
ヘアオイルを浸透させる間、
バルコニーで夜風にあたる。
ワインか、ウイスキーでも嗜みたかったが、
主様の手前やめた。
しばらくだんまりが続いたが、
「また、一緒に入ろ」
主様は少し照れながら言った。
俺は余裕を持つ暇もないから、
ボス「次は覚悟しろよ？」
主様の視界を遮るようにし、
俺と同じ匂いの髪を掬い、キスをする。
ボス「これじゃ済まさねえから」
アモン 腰:束縛 薔薇に囚われる→←フェネス こめかみ:慰め 俺にできること
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悒ゆう(プロフ) - もる。さん» ご愛読ありがとうございました(*´ω`*)他の作品も是非どうぞ！ (2022年6月5日 9時) (
レス) id: f72a01e073 (このIDを非表示/違反報告)
もる。(プロフ) - 完結おめでとうございます！陰ながら応援させていただいておりました！とても面白い作品、ありがとうございました〜(*´꒳`*) (2022年6月5日 9時) (レス) @page14 id: f898b9995a (このIDを非表示/違反報告)
悒ゆう(プロフ) - Lilyさん» ありがとうございます！頑張って書きますね(°▽°) (2022年5月29日 18時) (レス) @page9 id: f72a01e073 (このIDを非表示/違反報告)
Lily - あなたの文章、とても好きです。 (2022年5月28日 12時) (レス) @page8 id: d4500c81a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悒ゆう | 作成日時：2022年5月15日 19時
