ハウレス 瞼:憧憬 同じ景色を ページ4
街を訪れ、馬車が止まると、
街の喧騒に飲み込まれそうになっている
主様を捕まえ、
ハウ「くれぐれも俺から離れないでくださいね」
と釘を刺した。
すると
「手、繋いどく？」
ハウ「！？」
冗談だよ＿＿＿＿と一笑され、
繋ぎたいと言えば良かったと後悔した。
買い物で買ったのは
頼まれたものに、俺が食べるお菓子や、
主様から執事たちへの贈り物だった。
主様も少しばかりの給金を
もらっているらしい。
「給金なんて、いいって言ってるんだけどね」
子供が売っていた四葉の栞、
蜂蜜でできたヘアクリーム、
薔薇が精巧に模されたレースのハンカチ。
どれも安価で、けれども上質だった。
華やかすぎるわけでもなしに、
ひっそりと店棚のすみで埃を被っていたものを
拾ってきたようなものばかりだ。
「ハウレスは、何が欲しい？」
ハウ「俺より、主様のものを…」
「これとかどう？」
それは、ただのステンドグラスクッキーに思えた。
けれど、主様は満足げに目を細め、
買いに行った。
俺はお菓子をよく食うからか？
と首を傾げた。
主様から渡された紙袋を
「開けてみて」
と言われて、中を探る。
一枚取ってみると
青い飴が嵌め込まれた
ステンドグラスクッキーだった。
「ハウレスは、海に憧れてたでしょ。
海みたいなクッキーだと思って。」
白波はアラザン、水面は青い飴、
砂浜は白いクッキー。
俺を思って選んでくれたのだ。
ハウ「いつか、ふたりで
こんな海のそばで暮らしてみたいです」
「きっと、そんな日が来るよ」
へらり、と恥ずかしそうに笑った主様に、
「目を閉じてください」と言い、
身を屈めてキスをした。
唇ではなく、瞼に。
あなたの見る世界は、
とても美しいんでしょうね。
憧れの気持ちを込めて、唇を離す。
ハウ「さあ、早く帰りましょう。」
エスコートするため、手を差し伸べると、
おずおずと手を重ねてきた。
主様、俺はあなたをお守りします。
だから、俺の手を離さないでくださいね。
フェネス こめかみ:慰め 俺にできること→←バスティン 腕:恋慕「ゆめうつつの果て」
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悒ゆう(プロフ) - もる。さん» ご愛読ありがとうございました(*´ω`*)他の作品も是非どうぞ！ (2022年6月5日 9時) (
レス) id: f72a01e073 (このIDを非表示/違反報告)
もる。(プロフ) - 完結おめでとうございます！陰ながら応援させていただいておりました！とても面白い作品、ありがとうございました〜(*´꒳`*) (2022年6月5日 9時) (レス) @page14 id: f898b9995a (このIDを非表示/違反報告)
悒ゆう(プロフ) - Lilyさん» ありがとうございます！頑張って書きますね(°▽°) (2022年5月29日 18時) (レス) @page9 id: f72a01e073 (このIDを非表示/違反報告)
Lily - あなたの文章、とても好きです。 (2022年5月28日 12時) (レス) @page8 id: d4500c81a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悒ゆう | 作成日時：2022年5月15日 19時
