検索窓
今日:1 hit、昨日:8 hit、合計:31,894 hit

05 ページ5

.


喜怒哀楽。

彼女が今どんな感情でその言葉を言ったのかはわからない。

彼女が窓から飛び降り、病院に運ばれ、目が覚めた後から、意図的に感情を閉ざしていることは

始めて彼女を見た人でもわかる行為だった。



人を治せるのは人しかいない

だけどどんな人でもいいわけでなく、その病人が信頼できる人でないと治せないのだろう。

初対面の人に自分のあれこれを話せないのと同様に

彼女は顔なじみの僕でさえ話せない何かがあるのだろう。



「すみません。面会時間が…」



病院に来たのも遅い時間だったうえ

彼女の言った言葉に対して罪の意識に駆られているうちずいぶんと時間がたっていた。



「あぁ、じゃあまた来るから」

「うん。無理しないでいいからね」

「…A」

「何?」

「今度来るとき…何か持ってきてほしいものでもあるか?」



入院生活を送ってからというものこの部屋には花や人形やそういった類のものは一切なかった。

…自分が持ってこようという意識がなかったせいだが

そんな小さなことを繰り返すことで許してもらおうと思っているのか



「そうだな…じゃあお花買ってきてくれない?」

「なんの種類がいいんだ?」

「月下美人」





花言葉は



______ただ一度だけ会いたくて









.

06→←04



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
60人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:うまずたゆまず | 作成日時:2018年8月17日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。