名もなき精神病とその方程式【降谷零】 (ページ32)

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ベルモットと現場に着いた時にはもうすでに他のやつらもついていた。

自分は直接手を下さない、ただの傍観者だ。

どこに自分がいて何のためにここにいるのか

正義のために、国のために動くはずの自分がどうして人が葬り去る瞬間を眺めているのか。

そんなことを考えない操り人形のように立ちすくんでいるだけだ。

裏切者は有無も言わせずジンの手にかかるはずだったのに

「やめてくれぇ！！！！！！！！」

嗚呼

最悪な夜になったもんだ

人目につかないところを選んだとはいえ

そういった場所には夜、警察が見回りをしているものだ。

「人の声がしたぞ」

「ここか…？」

見つかっては組織としても自分としても厄介ごとが増える

「ｯﾁ。…とりあえずこいつを連れてさっさと逃げるぞ」

その言葉で自分たちの逃亡ツールに一目散に逃げる

その時だった

音が鳴ってはまずいとマナーモードにしていた携帯が着信を知らせた

誰かかも確認せず、忙しいからと電話を終わらすために応答したにもかかわらず

「＿＿＿＿＿零、……助けて…」

その声の主は久しく会っていなかった彼女の物だった

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