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【 天side 】
ついにやってきた映画撮影の日。
衣装に身を包んだボクは、撮影場所で台本を読んでいた。
すると、
「九条さん、お久しぶりです。」
と、小さな声が聞こえた。
目だけ動かして、右の方を見ると、高橋さん。
めいいっぱい睨みつけながら
「なんの用。」
と、自分でもびっくりするほどの低い声で言う。
びくっ、と少し肩を揺らした彼女の口からでた言葉は、
「あの、今までは本当にすみませんでした。
もうあんなことしません。
大人しく二人を応援します。
ほんとに、ごめんなさい。」
謝罪の言葉だった。
作り物かのように並べられた言葉にもちろん信用出来るはずがなく
「あっそ。」
と言って、また台本に目を通した。
高橋さんは小さく頭を下げたまんま。
そんな安っぽい言葉で許してもらえるの思ってるのかな。
ちら、ともう１回見ると、高橋さんの目はまっすぐボクを見てて。
「、、、もう、ボク達に関わらないで。」
その大きな目に耐えられず、そう言って、立ち去った。
彼女にまだ警戒は解けない。
Aの為にも、ボクがしっかりしないと。
ぎゅっ、と右手を強く握りしめた。
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作者名：ゆ に | 作成日時：2018年7月15日 21時
