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159話 ページ10

『…では、とりあえず1週間、おやすみいただきます!』

「はーい、ゆっくりして来てねー」

『お疲れ様です!』



深く頭を下げ、店を後にしたA。

バイト代も貯まってきたし、ちょっとスーパー行って、美味しいお惣菜でも買って帰ろう、と、歩いていた時だった。



「あ、あの」

『え?…あれ?さっき、いらっしゃった…』



振り替えると、先程Aが注文を取った弾性がいた。
韓国アイドルの様な黒髪マッシュヘア、少し地味ではあるが、塩顔で爽やかな雰囲気だ。
同年代の様に見える。



『どうされました?』

「あ、あの、先程の会話が聞こえまして…体調が良くないとか」

『あぁ、すみません、お客様の前で。大丈夫ですよ、ご心配ありがとうございます』

「いやいや…危ないですし、僕が送っていきますよ」

『え?いや、大丈夫ですよ』



珍しく親切な人だと思っていたが、何やら違和感を感じる。



「遠慮しないでください、女の人1人じゃ危ないです」

『いやいや、お客様、本当に大丈夫ですから…』

「…もう、お客様なんて、止めてくださいよー、分かってるくせに、Aさん、意外と意地悪ですね」

『え…?何で、私の、名前…』



夏の暑さが感じなくなるぐらい、ゾワゾワと悪寒が走る。



「え?知ってますよー僕、銀魂高校なんですよ。1年C組、剣道部、知ってるでしょ?」

『しっ、知らないよ!今日が初めてでしょ!?』

「…もーっ、本当に照れ屋さんですね。じゃあ1から説明してあげますよ」



何なの、この人…とすっかり恐怖の感情で埋め尽くされ、体が強ばって逃げようにも動けない。



「最初の出会いは、球技大会。先輩達のクラスと戦うことになったとき、僕が出場する第2セットで、わざわざ僕らのコート脇に来て応援してくれましたよね。
それから、この間の大会でも、応援に来てくれましたよね。志村先輩達に声かけてましたけど、僕への熱い視線、しっかり感じてましたよ。
それに、大会終わってから先輩のバイト先に毎日通ってますけど、すごく笑顔を見せてくれましたし…









僕ら、両思いですよね?」

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作者名:ウミガメ | 作成日時:2021年7月23日 18時

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