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197話 ページ48

最後の花火が終わって、Aと新八は丘を下り遊歩道に戻ってきた。



『………』

「………」



行きと帰りで関係が変わった2人。
モジモジして会話はないが、互いの手はしっかりと繋がっている。



その空気をぶち壊すように、双方のスマホに着信が入った。



『「はい、もしもし」』

【あっ、Aちゃん!】

【よお、志村】

『どうしたの桜』

「お疲れ様です高杉さん」



【今から帰るよね?Aちゃんの家で浴衣着替えて解散だと思うんだけど、どっかで集合してから行く?】

『あーっと……』


【田中の件、本人から聞いた。もう解決だな。
改めて礼も言いてぇし、良かったら今から合流しねぇか?】

「えーっと……」



それぞれ目を合わせ、そして頷く。



『…ごめん、人多いからのんびり行こうとしてて…集合した公園で待っててくれる?』

「ごめんなさい、Aちゃんを送ってくるので、また今度にしますね。」



そうして電話を切り、また歩きだした。



「…大丈夫だった?」

『そっちこそ』

「まぁ、高杉さん達はまた今度会えるから」

『あぁ、そうだね』

「桜ちゃんは?早く行ってあげた方がいいんじゃない?」

『うーん…でも…



……もうちょい、二人で居たいから……』



Aはそっと新八の手を取り、少し照れたようにボソッと呟く。

グッと込み上げるものを感じ、新八はAに詰め寄る。



「…そんな事言われたら、もう一回したくなるんだけど」



鼻がくっつきそうなぐらい顔を近づけられ、先程の出来事を思い出す。



『えっ、あっ、それは……ま、また今度、しよ?』

「…分かった、また今度ね?」



ちょっと満足げな表情を浮かべて新八は離れる。



……あれ、なんかちょっとキャラ変わった?
沖田っぽい雰囲気が漂ってるのは気のせい?
私この先大丈夫かな……



色々な変化に戸惑いながらも、A達は帰路についたのだった。

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作者名:ウミガメ | 作成日時:2021年7月23日 18時

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