13 好き ページ14
*
せらおみさんを連れて、俺の家へ入る。
いつも通りのはずの部屋なのに、せらおみさんがいるというだけで、なんかいつもと違う緊張感が漂っている。
『うわ〜!ゲームいっぱい!!』
楽しそうに部屋を見渡すせらおみさん。
画面越しに見たときより、断然可愛いし小さい。なんか守ってあげたくなるというか……
後ろから抱き着きたいというか((
いかんいかん、こんなやらしいこと考えてたら顔に出ちゃう。せらおみさんに引かれるのだけは避けなくては。
『早速今日撮ります?』
「ん?あぁ」
もうちょっとお話してからにしない?と提案してみると笑顔で『そうですね』なんて。
とりあえず俺の下心には気付いていないみたい。よかったよかった。
「そういえば」
ふと声を上げると、不思議そうにこっちを見上げるせらおみさん。あぁ可愛い…!!
って、そうじゃなくて…
「さっきからタメ口なの、気付いてないの?」
『え?』
そういえば、と目を見開くせらおみさんにショックを受ける。……まさか気付かれてなかったなんて!あんなに勇気を振り絞ったのに。
『なんか違和感はあったんです…だよね!』
きゅんっ
そんな音を立てて胸がときめく。突然のタメ口にふにゃっと笑う顔。えへへ、なんて笑われたらこっちは我慢が効かなくなる。
『え、フジさん?』
せらおみさんの声に反応することもなく、
彼女の肩に手を置いて顔を埋めた。
びっくりしたみたいだけど、嫌がる素振りは見せない。脈ありかな、なんて。
「ごめんね…我慢出来ない」
そっと、せらおみさんの顎に手を伸ばし上へ向ける。何をされるのか分かっていないのか、未だ抵抗らしき動きをしない。
「……好きだよ、せらおみちゃん」
『え____
私も好き!フジさん!!』
それまでのいい雰囲気はどこへやら。
途端に腰辺りにくる締め付けと温もり。
どうやらせらおみちゃんに抱き着かれたみたいだ。
『フジさんのこと好き〜!!』
「え…と…多分それは俺の好きとは違う様な…」
『だーいすき!!』
ぎゅうーっ と可愛く言い抱き着くせらおみちゃんを見ていると、自分の中で盛り上がっていた何かがしぼんだような感じがした。
「よしよし…俺も好きだよ」
『大好き〜!!』
まぁこんなのも悪くないか、なんて。
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ミュウ - この小説すごい好きです!更新、頑張ってください!!! (2018年10月26日 1時) (レス) id: ef0d6f4579 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - 今この作品を見つけました!!すごく面白くて続きがとても気になりました...!忙しいと思いますが更新待ってます!! (2017年4月7日 23時) (レス) id: d2976fb063 (このIDを非表示/違反報告)
哉谷@レンこん(プロフ) - あーのさん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(*・ω・) すみません、リアルが忙しくて更新出来なくて…これからなるべくたくさん更新します! (2016年9月5日 16時) (レス) id: 242996a1fd (このIDを非表示/違反報告)
あーの - めっちゃおもろいっす(笑) 更新ってもう終わってるのか? でも!更新頑張ってください! (2016年9月4日 23時) (レス) id: dad0340cb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:哉谷@レンこん | 作成日時:2016年8月28日 17時