その未来へ２ (ページ49)

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(kimura)

『どう考えても盗撮だね』
木村「…ですよね、」

カメラがないからってAの部屋に行ったのは自分でも軽率な行動だったなぁとは思う。でもまさかそんなの撮られてるなんて思わないし。

問題の写真が載せられていたアカウントにはAの過去の画像もたくさん載せられていて、アイドルをやってた時のファンとのツーショットとか、出身高校とか、通ってる大学とか、とにかくAを落とし込もうとするありとあらゆる情報が拡散されていた。

ファイナル前。デビューが決まる大事な投票の最中、最悪のタイミングだと思う。

練習は中断してスタッフさんからあれこれ話を受けていると蓮汰が戻ってきた。

西島「戻りました、…あれ」

てっきりAと一緒に来るものだと思っていたから1人で部屋に入ってきた蓮汰に拍子抜け。蓮汰も部屋を見渡して驚いた顔をしていた。

西島「Aちゃんは？」

西「部屋にいなかったの？」

後藤「…まだ来てへんよ」

西島「え…部屋、もう降りて行った形跡が残ってて、Aちゃんてっきり入れ違いになったかと、」

『…ちょっとスタッフ集めて探してもらうわ』

バタバタと出ていくスタッフさんに、俺らは呆然とするだけ。

Aちゃんいなくなっちゃったの？と泣き始める波留をアントニーと香信が慰めている。

西「…やばくない？これ」
木村「うん、だいぶヤバい」

平静を装っているけど、内心気が気じゃないよ。心臓のドキドキが止まらない。冷や汗もかいてきた。

騒ぎを聞きつけて部屋に入ってきたRUNWAY組は心做しか理人と京介の表情は暗くて、事の重大さを知る。

本番まであと数日。
パフォーマンスへの不安もある中、今回の騒動。

大丈夫なのか。