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(nishijima)
たじくんとAちゃんと、3人で居残り練習。
突然Aちゃんから聞かされた昔話に、驚いていた。
…だけど、実は知ってた。
冬の女の子たちのオーディションの時から、一際目を引いてたAちゃん。
どんな子なんだりう?って気になって色々と調べていくうちに辿り着いた掲示板。
Aちゃんはアイドル時代から持ち前のルックスとスキルで、常にグループのエースとして真ん中に立っていたらしい。
いわゆる「運営のオキニ?」だったはずのAちゃんが新グループにいないのは闇だな、と掲示板では語られていた。
「…もっとステージに立ちたかった…」
そう言って涙を流すAちゃんに、関係ない僕まで思わず目頭が熱くなる。
田島「これからAは俺らと、いっぱいステージに立って行くんだよ」
たじくんの言葉に顔を上げる。
田島「こんなすごいAのこと、自ら切り離したのバカだったなって思わせるくらい、俺らでいいステージ作ろうよ」
西島「…そうですよ、Aちゃんには、もう僕たちがいます」
「…たじくんも蓮汰も、ありがとう」
微笑むAちゃんは、やっぱり綺麗だと思った。
初めて会った時はもっと怖い人なのかな、と思ってたけど、そんなことなくて。
僕たちが普通の男の子であるのと同じで、Aちゃんも普通の女の子。練習生に溶け込んでいくスピードは誰よりもはやかったし、みんなから愛される僕たちのお姫さまみたいな存在。
「…これからも2人と一緒にステージ立ちたいから、わたし頑張るね」
田島「…無理はしないように!」
西島「Aちゃんの話聞いてたら僕も踊りたくなってきました」
田島「3人で最後にやって戻ろっか(笑)」
その後3人で踊ったGoosebumpsは今までで1番楽しくて、1番最高のものになった気がする。終わったあと、何を言うわけでもなく自然と交わしたハイタッチに手のひらが熱くなった。
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作者名:う | 作成日時:2021年7月8日 12時