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この前俊司がわたしにしてくれたように、理人に両手を広げてあげると案外素直に飛び込んできてくれた。
肩が彼の涙で濡れていく感覚があるけど、今日くらい許してあげよう。わたしも俊司のTシャツ涙と鼻水で汚したし。
池崎「…っし、もう大丈夫」
ひとしきり泣いて目が真っ赤になった理人。
いつもおちゃらけてるのに、なんだかんだこの人にも弱いところがあるんだ、って安心した自分がいた。
「…今日は部屋戻って休みましょう」
池崎「え、俺大丈夫だよ、もう戻る」
「ううん、今日は休んでください。わたし命令です」
明日から気持ちをリセットしてまた頑張ればいいから、今日は寝て！と言えば困ったように笑いながらありがとう、と言われる。
「部屋まで送ってあげる」
池崎「いいよ危ないから」
「心配だから」
池崎「A戻るの大変でしょ」
「すぐそこじゃん」
池崎「でも歩くとちょっと遠いし」
「いいから(笑)」
1歩も引かない理人を無理やり立たせて腕を掴んで歩き出す。
池崎「、手…普通に繋ぎたいんだけど」
「…今日だけだからね」
腕を掴まれたのは不服だったのか、ちょっとだけ口を尖らせながら拗ねてるのが可愛くて『今日だけ』を念押しして歩き出す。
池崎「…ありがとな」
「ん？」
池崎「Aいなかったら多分もっと死んでた(笑)」
「理人が元気無かったら調子狂うもん」
池崎「Aってなんだかんだ俺の事好きっしょ」
「違うよ、理人がわたしのこと好きなんでしょ？(笑)」
いつものように冗談でそんなことを言いながら腕をブンブン振って歩いてたのに、突然立ち止まる理人。手は繋がれたままだから、理人が立ち止まればわたしも引っ張られて止まらざるを得なくなるわけで。
池崎「…うん、好きだよ」
「？うん、わたしも好きだよ」
真剣な顔をする理人に違和感を感じながらも返事をすれば眉間に皺を寄せてる。
池崎「はぁ…もうなんでもない。早くいくぞ」
「自分から言ってきたくせになに、ていうかあんたが止まったんでしょ」
池崎「お前が訳わかんないこと言うから」
「は？お前っていうな」
池崎「うるせー」
色々あったけど、とりあえず元気になってよかった…のかな？
ｰｰｰｰｰｰｰ
池崎のターンでした。次は誰が来るのでしょうか
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作者名：う | 作成日時：2021年7月8日 12時
