バケモノの片想い【tn】 (ページ2)

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実験1 ページ2

ー被験体:Aー

元は人間で人体実験の影響でミュータントになったらしい。

好奇心旺盛で至って健康。

本人曰く、未来予知、危険察知、テレパシー、テレポーテーションが出来るようだ。
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我々國書記長は報告レポートを其処まで書き上げるとノートパソコンをぱたりと閉じた。

久し振りに外に出たのはいいが、また徹夜の種が増えてしまったことに変わりはない。

『とんさん、あーそーぼ』

『今仕事してるの見えませんかねぇ？』

『見えない』

『即答すなぁ』

これが今の徹夜の種。人間のミュータントで、昨日彼が時計台から連れ出してきた。まだまだ調べなければいけないことが多々あるが、休憩と称して今少し此奴に構わなければ。

ギシギシなる椅子から立ち上がり、黒光りする牢屋の向かい側にどっこいせと腰を下ろした。無論、鍵を開けて中に入る訳にはいかない。それは大事な用がある時だけだ。

ピポビタンDを一本グビグビと飲みながらミュータントもといAを見やると、視線に気付いた彼女はにぱりと笑った。

『大先生っていう人に聞いたんだけど、とんさんってどーてーなの？』

『……っ‼ゲフェ__そやけど、誰にも迷惑掛けてないし別えぇやろ』

口に含んでいた其れを全部床に吐き出してしまった。全く純粋無垢故にタチが悪過ぎる。半らやけくそで拗ね気味に返してしまった。

変なのと、お腹を抱えてケラケラと笑うその姿はちゃんとした人間だ。ぶんぶんと揺れる尻尾さえ目に入れなければ。

さて、また仕事を再開しなければ