【wrwrd!】If 【短編集】

夢か現実か【gr】 ページ6

夢を見た。遠い遠い昔の夢。



それが笑えることに、私はその夢の中でお姫様なのだ。純白のドレスを着て、高い塔で暇を持て余している。


鏡で見ると、別人のように綺麗だった。でも、はっきりと自分の顔だってわかった。なんとなく、誇らしかった。


そんな怠惰なお嬢様を迎えに来るのが漆黒の騎士。私の彼、グルッペンだ。高窓から身を屈ませて手を差し伸べている。



『迎えに来たゾ、A』


『遅いわよ、私の騎士様』



嗚呼愛おしい。私を抱き寄せてキスをした。甘い甘いキス。蕩けてしまいそうな程熱くて切ない。このまま二人堕ちるところまで堕ちてしまおうか。



漆黒と純白が混ざり合って別の色になる。灰色の夢だ。









目が覚めた時は、幸せな気持ちでいっぱいだった。



『随分幸せそうに寝ていたな。目覚めるのが遅かったゾ』


『あら、今の騎士様は随分と意地悪なのね。おはよう、グルッペン』


あぁ、おはよう。と、私の髪を撫で、額にキスをして彼は微笑んだ。陽の光に反射する黄金が頰に擦れ私はきゃっきゃと笑う。



覚めて欲しくない夢が現実になってしまった。夢も現実も麗らかで幸せだ。




休日、土曜の昼下がり。要するに、仕事がないハッピーデイだ。




I love you





今日は何処に行こうかダーリン





貴方が居れば私は何処でもいいよ

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