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『…先輩、嘘っすよね?』


死体の山を駆け上り、先輩を抱き起す。腹部から夥しい量の血が流れていて、俺の右手は簡単に赤く染まった。

ゆさゆさと揺すって、何度も先輩の名前を呼ぶと、ゆっくりと睫毛の長い大きな目を開けた。


『…あぁ、ショッピ君か』

『先輩ッ…。今医療班のところに運びますんで少し我慢して下さい‼』

『…いい。私はもういいんだ。…君が思っているよりもこの傷は深いから…多分もう助からない。出欠多量で死ぬ。』


俺の腕を握って、へらりと笑って見せる。髪が雨に濡れて頰に張り付いている。お願いだ。このまま消えないでくれ。


俺の声が届かないところに先輩が言ってしまうその前に…どうか___


このまま時が止まってほしい。時が止まったら、そのまま逆行してくれ。先輩が戦争に出る直前まで。


こんな願い叶わないって事くらいわかってる。それでも願ってしまうほどに俺は先輩が好きだ。


この手を離すと、本当に先輩は何処かに行ってしまって俺は駄目になる。雨に濡れた冷たいその手。俺の手も冷たくなった。

声と涙は同じ温度になり、冷ややかに崩れた地面に流れ落ちる。形の無いものも、全て先輩に届いて欲しい。


気を失った先輩を抱えて俺は全力で走った。








.







.









『…ッいったたたたたた…』

『無理に体を起こすからですよ、先輩』


先輩は本当に俺を困らせる。あれから先輩が目覚めたのは一週間後。今は傷の療養中で軍の病院に入院している。






俺は未だに先輩に好きと伝えられていない。





それでも




You are indeed still to this day my shining light.

狩人な君【rbr】→←.



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姫鶴(プロフ) - リクエストです。二つって大丈夫ですか?「I want to be cute powered 」グルさん、可愛く有りたい」で、二つ目が「」can not become obedient、素直になれない」エミさんでお願いします!どちらか一つでも大丈夫です! (2018年10月21日 0時) (レス) id: 2e70da2045 (このIDを非表示/違反報告)
橘欅(プロフ) - 姫鶴さん» 勿論。喜んでお受けします! (2018年10月14日 13時) (レス) id: 4f6b87549d (このIDを非表示/違反報告)
姫鶴(プロフ) - めっちゃ良かったです!!それと、また今度になるかもですけど二回目のリクエストとかってアリですか? (2018年10月14日 0時) (レス) id: 2e70da2045 (このIDを非表示/違反報告)
橘欅(プロフ) - 姫鶴さん» 書いていて楽しかったです。お気に召したようならば幸いです。リク有難うございました!!アレでしたら書き直しますのでその時は言ってください (2018年10月13日 22時) (レス) id: 4f6b87549d (このIDを非表示/違反報告)
姫鶴(プロフ) - リクエスト良いですか!エミさんで,you alwys on my mind.(あなたは常に私の心に。)で学パロをお願いできますか? (2018年10月13日 13時) (レス) id: 2e70da2045 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:椨銀杏 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年9月9日 0時

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