魔女と我々だ！！【d!】 (ページ4)

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「聞いているのか？それとも恐怖でまだ考えがまとまらんか？」

「すみません…少し考え事を」

銃の安全装置を外す音で現実に引き戻された。カチャリと云う音に肩がびくりと跳ねる。
走馬灯が駆け抜けた先のどうしようもない地獄に目を向けなければいけなくなってしまった。

「どうして私を傘下に引き入れたいのか分からなくて…」

「決まっている、魔女は珍しい。それ故にデータが欲しい。
データを元に研究をすれば我等人間にも同等の事が出来るようになるかもしれないからな」

手を取れ、祖国を捨て我々の国の為に生きろ

私は目の前の男が偶像のように見えた。悪魔のようで、神のようで。この世ならざる人智を超えた存在に見えた。全身の毛が逆立った。
かなり冒涜的な事を言っているというのに、彼の手を取らなければいけない。と思ってしまうような圧倒的な威圧感。

周りから降り注ぐ視線は私の全身を押し潰そうとしている。人差し指を動かしただけで私の頭は消し飛ぶだろう。
全力で私を手駒にしようとしているのがひしひしと分かった。

祖国に殺されそうになり、敵国だった国に生命の存続を握られている。私自身の生きる権利は他人に奪われてしまったのだ。

逃げられない事を悟った私はストンと膝を折り、金髪の彼の前に跪いた。

「貴方に忠誠を誓いましょう」

頭上の男はニヤリと笑っていた