アゲハ蝶【煉獄杏寿郎】

心の声に耳澄ませ ページ15

ずっと、認めたくなかった。


遠巻きに見て、片想いのままで終わらせたかった。初恋は、叶わない方が良かったのだ。いっそのこと、あの人が他の人と恋をして、結婚するまでを眺めている方が平和だったかもしれない。


それでも、近付いてしまった。自ら足を踏み入れてしまった。


そんな自分の事が嫌いで嫌いで嫌いで…愛おしくて堪らない。こんなにも誰かを想う事が出来たのは初めてだったから…。



“煉獄さん”



貴方が大好きです。貴方の事を考えると、胸が痛い。八十回から百十回に心拍数が増えてしまうくらい、痛い。



獅子のように勇猛な姿。目の覚めるような赤と黄の髪。大きな目。



男らしいところ。誰よりも優しいところ。少し嫉妬深いところ。情熱的なところ。




全てが好きです。




貴方が弱い人を助ける為に刀を振るうのなら、私は貴方に寄り添って、傷を癒したい。





愛しています。愛しています。






誰よりも…愛しています

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