365日 (ページ20)

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好きな人① ページ20

なんだか今日は、とても眠くて身体がだるい。
昨日夜更かしした訳でも、取り立てて忙しすぎた訳でもない。
熱や風邪でもなさそうなので、ある可能性を思い浮かべる。

先週、ようやく月に一度の憂鬱が終わったのに
なかなか調子の良い日はないなと
自分の身体を恨みながら、家をでた。

UDIラボにつくと、東海林さんが
ぐったりした様子でデスクに伏せっていた。

『おはようございます。
東海林さん、どうされたのですか？』

こちらを振り返った系さんに、目で挨拶をした後
ポカリスエットを手にした三澄さんに尋ねる。

「朝から熱があるみたい。
ほら東海林、飲みな。」

「ミコト～…ありがとう…。」

東海林さんは、受け取ったペットボトルの蓋を開けようとしたが
力が入らないのか諦め、頬に当て目を細める。

『東海林さん、大丈夫ですか？
かなり辛そうですね…。
冷えピタありますよ？』

東海林さんから受け取ったペットボトルの蓋を開け
再度渡すと、東海林さんは一口飲み
まただらりとデスクに身体を預けた。

「A、ありがとう。
でも、冷えピタはかっこ悪いからやだ～。」

子供のように駄々をこねる東海林さんが可愛らしい。
透明なフィルムをはがし、冷えピタをそっと首の後ろに貼る。

『ここならあまり目立たないのでどうですか？』

「気持ちいい…ありがとう。
今日は解剖の依頼が多いから無理やり来たけど
役に立てそうにないわ…。」

『無理せず家でゆっくり休んでください。
よろしければ、私も三澄班のお手伝いさせて頂くので。』

「それは助かる！
東海林、そういう事だから安心して休みな。」

「それを中堂さんが許すとでも…？」

東海林さんは、ちらりと三澄さんを見て言う。

「大丈夫。私と神倉さんで説得するから。」

三澄さんが東海林さんの肩にぽんと手を置いたところで
久部さんがオフィスへ入ってきた。