365日 (ページ16)

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desire to monopolize③ ページ16

所長室に入ると、ドアが閉められ
そのままドアに追い詰められると
パーカーのファスナーを一気に下ろされる。

「他のやつに見せるな。」

系さんが、射るような目で私をじっと見下ろすので
恥ずかしくて、パーカーの裾をぎゅっと握り、下を向く。

『ごめんなさい。
こんな格好でうろうろしていたらご迷惑ですよね…。

次からは上着も着ていきます。』

しゅんとして言うと、系さんは少し驚いた顔をした後
自身の頭をがしがしと掻く。

再び私を真っ直ぐ見つめると、ドアに手をつき
そのまま、私の鎖骨あたりに顔を近づける。

ちくっとした痛みと、弱い所への刺激が
一度でなく何度も与えられるので
思わず声が漏れそうになるのを、必死で抑えた。

顔を上げた系さんは、そんな私の表情を見ると
舌なめずりしながら、口の端を上げる。

「お前のそういう姿は、俺だけが知っていればいい。」

鼓動がおさまらないままの私に、追い打ちをかけるような言葉。
きっと今の私は、耳まで赤くなっているだろう。

長く伸びた前髪の間から見える瞳に
全て見透かされているようで、恥ずかしくて
系さんの首に腕を回し、抱きついた。

それでも、どうしても伝えたくて
声を絞り出し、そっと耳元で告げる。

『系さん…だけです…。』

系さんは息を飲むと、私の腰を強く抱きしめた。

「これ以上煽るな。」

そう囁く系さんの息が耳にかかり
優しい声も琴線に触れ、再び身体が反応してしまう。

系さんはふっと笑うと、そっと身体を離し
私の髪をくしゃっと撫でた後
先程下ろしたパーカーのファスナーを、今度はゆっくりと上げた。

「明日は1日、これを着ていろ。」

私の鎖骨辺りを指挿すと、にやりと笑う。

不思議に思い、ガラスのドアに自身を映すと
あちこちに散らされた、赤い跡が目に入った。

『け…系さん…』

慌てて、パーカーのファスナーを一番上まで上げると
その腕ごと、後ろから系さんに抱きしめられる。

「お前が誰のものか、わかりやすくて良いだろ？」

ドアに映った系さんは
悪びれるどころか、満足そうに笑うと
私の顔を自分の方へ向け、口付けた。

彼の想いが込もったしるし。
私が彼のものだというしるし。

こんな風に想って貰える事を
嬉しく感じてしまう私は、おかしいのだろうか。

例え、目に見えるものがなくても
とっくに私のすべては、あなたのものだ。