365日 (ページ4)

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MONSTER④ ページ4

結局、そのような状態のまま10日が経った。

このような時に限って、中々タイミングが合わず
しばらく系さんとゆっくり会えていない。

ため息なのか深呼吸なのか、自分でも分からず
ふっと短く息を吐き、オフィスに入ると
ソファに座って、道具を整理している系さんと目が合う。

系さんがかすかに微笑んだと思った矢先に
和山さんが勢いよくやってきて、系さんの隣に座った。
系さんは、眉間にしわを寄せ、舌打ちをひとつする。

「系さん、今日は私がコーヒー淹れてあげる！
おじいちゃんから良い豆もらったんだ。」

じゃーんと、系さんの目の前に
コーヒーの袋を突き出す。
もう片方の手が、系さんの膝の上に乗っており
つい目が行ってしまう。

「いらん。」

系さんは、足をずらし
和山さんを見もせずに、素っ気なく答える。

私の存在に気が付いた和山さんは
パタパタと私の所まで走ってきた。

「A～、系さんが冷たい。」

『すごいですね、ブルーマウンテン。
私、飲んだことないです。』

「じゃあ、みんなで飲もう～。
きーちゃんがふるまっちゃう！」

『私も良いのですか？
ありがとうございます。』

ちょうどそこに久部さんもやってきて
和山さんはパタパタと走り寄ると
同じように久部さんにもコーヒーを見せた。

「六郎も飲むでしょ？」

「えっ…あ、はい。
じゃあいただきます…。」

久部さんには申し訳ないが
私はその間に、そっとオフィスを後にした。