365日 (ページ25)

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a long progression of rainy days① ページ25

しとしとと、昨日から雨が降り続いており
窓も開けられず、じっとりと湿気を含んだ空気がオフィスに充満している。

「あ～！じめっとしててやる気でない。」

「東海林さんはいつもな気がしますけど…」

「六郎、なんか言った！？」

「い、いえ…なんでも…」

いつものようにじゃれている東海林さんと久部さん。

そこに、ハンカチでスカートをはらいながら
三澄さんがオフィスに入ってこられた。

『おかえりなさい。
三澄さん、大丈夫ですか？』

「ただいまー。
あまり降ってないけど、細かい雨でどうしても濡れちゃってね。」

『傘をさしていても濡れてしまう霧雨、ですね。』

「そうそう。濡れると余計じめじめして嫌になるね。

Aからもらったハンカチ、使わせてもらってるよ。
ありがとね。」

三澄さんは、ハンカチを広げてにっと笑う。

『いえいえ！私が三澄さんのハンカチに血をつけてしまったので…。
使って頂けて嬉しいです。』

「気にしなくてよかったのに。」

三澄さんは眉を下げると、じゃれあうふたりの間に入る。

「ほら東海林、久部くんにつっかからないの。
これあげるから。」

そう言い、デスクに置いたばかりのビニール袋から
バナナを一房取り出す。

「しかし、こうも雨続きだと参っちゃうね。
すっきりと晴れた、南の島にでも行きたいな～。」

東海林さんは、目の前に差し出されたバナナを見つめ
ため息混じりにぼやくと、いらないと示すように
首を横に振る。

『本当ですね。
早くお日さまの下に洗濯物を干したいです。』

思わず、窓の外に目をやる。