365日 (ページ24)

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MARK③ ページ24

デスクに戻り、書き終えていた報告書を手に取ると、所長室へ向かう。

ノックをして引き戸を開けると
ソファに座る中堂さんが目に入った。
つい先ほどの事を思い出し、一気に体温が上がる。

『中堂さん、今日の報告書です。』

「ああ。」

立ち上がり、こちらまでやってきて
報告書を受け取ってくれる。

「どこか行くのか？」

『はい。これから三澄さん達と飲みに行くんです。』

給料日なので、と嬉しそうに答えると
中堂さんは少し考え込む。

「あいつも来るのか？」

『あいつ…？
今日は三澄さんと東海林さんと久部さんの4人です。』

ふいに時計が目に入る。
そろそろ行かなければならない時間だった。

『すみません、では行ってきますね。
お先に失礼します。』

お辞儀をし、振り返り、所長室のドアを開けかけた所で
急に中堂さんにドアを押さえつけられた。

『な、中堂さん…？』

迫力と熱い視線に目を逸らせないでいると
中堂さんは、ドアを押さえたたまま屈み
私の首元へ口を寄せた。

『…っ！！』

びくっと反応してしまった後
あまりの出来事に顔を真っ赤にして固まっていると
中堂さんは満足げににやりと笑い

「気を付けて行ってこい。」

と、頭をポンとすると
報告書を手に、ソファに座った。

『い…行ってきます！』

首元を押さえ、逃げるようにその場を後にした。

その後遅れてお店に到着した私は
上着を脱いだ所で、首元を見た
三澄さんと東海林さんから激しく追及され
終電間際まで開放してもらうことができなかった。