【名探偵コナン】やれる事はやるつもり (ページ37)

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三十六話ページ37

《降谷side》

ﾊﾞｰﾎﾞﾝ「スコッチが、死んだ……？」

突きつけられた報告に、俺は脱力し膝から崩れ落ちる。どうやらNOCである事が露見し、処分されたとの事だ

遺体は永宮先輩が処分したらしく、そうですかと生気のない弱々しい声が出た。その報告をしてきたのは俺の好敵手、ライ

ﾗｲ「心臓を一発で葬った。痛みは無かった筈だ」
ﾊﾞｰﾎﾞﾝ「……お前が、殺ったのか」
ﾗｲ「コニャックは撃てそうに無かった」

永宮先輩は処分しただけで、手は下していないらしい。撃てなかったという事は、処分する時だって複雑な気持ちだった筈

俺がそこに居れば、永宮先輩とずっと傍に居ればと俺は深い後悔の念に駆られた。あの人に、全て背負わせてしまったんだ

ﾊﾞｰﾎﾞﾝ「一つ、聞いていいか」
ﾗｲ「？」

俺は震える声でライに問うた。どうして、殺せたのかを

ライは俺の質問に「ある程度の任務には従わなければならない」と淡々と答えるライ。その言葉に俺は、心の底から嫌悪を覚えた

任務なら、NOC仲間を殺せるようだ。この男は……!!

俺はライと別れ、すぐ様永宮先輩に電話を掛けた。もしもし、と出た永宮先輩は疲れているのか少し覇気がない

降谷「永宮先輩……すみません」
〈『あぁ……大丈夫、仕方ない事だ』〉

俺の謝罪の意味を汲み取った永宮先輩は、一つ渡したい物があると待ち合わせの予定を入れてきた。時間があるし、あって話したいこともあった俺はそれを了承し待ち合わせ場所に車を走らせる

なるべくならと思っていたくせに、俺はとても大きな物を彼に背負わせてしまった。優しくて、暖かい彼に一生消えない後悔を。俺のこの気持ちが比じゃない程の、重くて苦しい十字架を

許して欲しいとは言わない。ただ、これからは俺が全て背負おうと思う。今まで助けられて、導かれてきたのだから恩返しをしなければならない

降谷「……先輩」

大好きな先輩の顔が脳裏を過り、俺は奥歯を噛み締めて車のアクセルを踏んだ

……あぁ、貴方の背負い込んだものを俺が全て、肩代わり出来たらいいのに