二十七話 ページ28
諸星side
諸星「ふむ、中々心を開かないな」
今回の永宮Aという男の素性を探るべく、ファミレスで食事をしてきたが中々ガードが硬かった。少しそれっぽい事を言ってくれたが、それ以外は本当に何も
あの男が組織の人間であるかもしれない可能性が上がっただけの成果では、あまり喜べるものではないのは確かだ。もう少し確証が欲しかった
困ったものだと頬を掻きつつ、携帯に送られてきていたメールに目を細める。内容は、永宮Aからの“次のお誘い”
諸星「……本当に困った」
相手が組織の人間であるならば良し。あの宮野明美経由でなんとか組織にこぎつけるも良し。なのだが……邪魔な感情が出来てしまったな
あそこまで警戒されるとこの気持ちに諦めというか、踏ん切りをつけられるだろうと警戒されやすい言葉を選んだというのに、逆効果のように認められたくなってしまった
あの男が理想とするものはなんだ?俺はどのようにすればあの男に認められる?認められて、上辺ではなく心からの笑顔をどうすれば……
諸星「……俺らしくないな……」
小さく呟き、送られてきていたメールに俺はRe:を付けて返信した
from:諸星大
title:Re・大丈夫です
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また次も誘っていただけて嬉しいです。少しなにかしてしまったのかとばかり不安でしたので……。また都合の着く日でも教えてくれれば、俺もそれに合わせようと思います
次はどこに行きましょうか
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《Aside》
『……やっぱり引かないな。突き放すべきだったかー?』
床に座りながら、携帯に送られてきた返信を見て頭を抱える。俺が突き放した所で一直線に宮野さんがターゲットにされるだろうし、あの人にはなるべく負担をかけたくはないから選択肢は少ない
まぁ、組織に入りたい理由がNOCだからだと言うならば少しは心を開こう。ただまだ相手の素性が判別できていないからそう簡単に心は開けない。NOCだったら……まぁ、ごめん?俺の方に話つけてない自分に怒ってくれ
『さて、いっちょやりますか』
ジン「ターゲットはあのビルの四階だ」
『あいあい』
銃を手にし、俺はジンさんが指し示す方向へ銃口を向けた。仕事終わりにジンさんが「突き放すって何をだ」って聞かれたのは、まぁ自分の失態だね……
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作者名:アンドゥ | 作成日時:2020年3月11日 1時