桜樹の守人 (ページ48)

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｢まあ、まずはこれを。｣
そう言って彼が私たちに見せたのは、マタロウ君が映っている映像や軍隊のシーン。それにゾンビパニックの動画だった。よく見るとその全てにマッシュルームカットの少年が沢山写っている。
｢やけに映りたがりのゾンビだな。｣
｢映りたがり……？ハッ！もしかしてこれは、Y学園七不思議の1つ、【映りたがりの友道くん】では？｣
｢友道くん？｣
｢その可能性は高いですね……。ほら！｣
そう言って、サン太夫君はスマホでY学園のホームページのウワサのタブを見せる。
｢Yペディアによれば、彼が映りこんだ映画は呪われてしまうと言われているんだ。｣
｢確かに、この映画を撮り始めてから主演俳優が次々と辞めてしまうという事態が起きている……。今の主役、怒野ランボー君は3人目の主演俳優なんだよ。｣
｢そんな事が……。｣
｢しっかし驚いたな。そんな濃いキャラの俳優が次々と見つかるとは……。｣
｢驚くとこそこ！？｣
ボケとも本気ともつかない態度でジンペイ君が言う。
その時。部長君の携帯が鳴った。
｢ん？……なにっ！？ランボーまで！！？｣
なんと、怒野君まで主役を降りることにしたというのだ。
｢コマったことになりましたね……。｣
｢じゃあ、この子たちから主役を選んでみたらいいんじゃないかな？キャラだって濃いし。｣
と、私は提案をしてみる。何より、私がその映画を観たいのだ。
｢主演！？｣
そう言ってジンペイ君とサン太夫君は、光っている棒？剣？でチャンバラをしながら、｢マスター、俺に力を！｣｢まだまだじゃな！｣なんてことを月面っぽい舞台で言っている。
｢そんな宇宙映画じゃないから！｣
｢うん、良さそうだな。急いでストーリーを変更しなければ。デコヘッド軍曹が居なくなってしまった今！その後を継ぐのは……オニオンヘッド三等兵！それとついでにヒロインは高嶺の花でエリート、キルシュ少尉！演じるのは、君たちだ！｣
そう言って彼は、マタロウ君と私を交互に指さした。
｢えええええっ！！！？｣