桜樹の守人 (ページ45)

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｢行くネ、お前たち！｣
｢キョキョーン！｣
向かってくるキョンシーたち。
〈ワーイ！execute！〉
｢紅き……一閃！｣
紅丸が技を放つも、するりと回避されてしまう。
｢っ、速い……！｣
〈ワーイ！英命実行！〉
｢紫の舞！｣
素早いナインテイルにキョンシーは流石に少し喰らう。
｢やったー！｣
｢いえ、マタロウ様。まだですよ。｣
気の早いマタロウ君はもう勝ったと思っているが、最近の七不思議は全て凶暴化している。まだ気を抜くには早いのだ。
｢そう！まだまだこれからネ！｣
その言葉を皮切りに五体は1人へ合体。先程より早い攻撃にナインテイルは防戦一方だ。
｢ナインテイル様！｣
〈ワーイ！execute！〉
｢桜人の護り！｣
咄嗟にナインテイルへと防御力をあげるバフ技を使う。
私たちが防いでいるうちに紅丸がとある技を放った。
〈ワーイ！execute！〉
｢奥義紙分身！｣
紅丸の姿が数十、数百と増えていく。キョンシーはそれらを全部引き裂いたが、前から来たナインテイルと私のキックに反応し遅れてしまった。
｢隙はつくりました、紅丸様。｣
｢今でございますよ、ベニー！｣
〈ワーイ！execute！〉
｢怒髪天横一文字斬り！｣
キョンシーへ向かって一直線に駆け抜けた紅丸。
｢紅畑任丸郎でした。｣
……ちょこっと意味が分からない決めゼリフだったが、キョンシーは5体の元の姿に戻った。
そこで私たちは変身を解除する。

｢ああ、これでもうチョコレートファクトリーはおしまいヨ……。｣
｢自業自得だろ。アンタが悪徳商売してたんだから。｣
きょうは辛辣なジンペイ君。その時だった。キョンシーたちが跳ね回りながら踊り出したのだ。
｢そうヨ……。お前たちはあの時もそうやってくれたネ…！｣