桜樹の守人 (ページ42)

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｢あっ、A先輩！どこ行ってたんだ？｣
｢ちょっとフォーチュンビターブラックを受け取りにね。｣
｢なるほど……って、A先輩も予約してたんですか！？｣
｢えっ！！？｣
ジンペイ君に聞かれ、答えたらサン太夫君にびっくりされてしまった。ついでにリュウスケ君にも。
リュウスケ君の驚きには落胆の声色も入っていた気がするが、突っ込んだら負けだ。
｢うん。みんなと食べようと思ってね。でも、案件の検証をするなら、これは人数分しかないからごめん。｣
｢検証……。どっ、どうせ園等先生にあげる前に味見をするつもりだったし、ボクが食べますよ。A先輩。｣
そう言ってリュウスケ君は、彼の持っていたフォーチュンビターブラックを1口齧った。
｢占いだ！｣
｢見せて見せて！｣
｢『汝、麗しき桃の果実に……？｣
｢ドビューン！｣
｢風に頬を撫でられチーン！』｣
｢どういう意味かしら？｣
見事な連携プレーで占いを読み上げるマタロウ君、フブキちゃん、サン太夫君。
でも、さっきの私の占いはこんなに適当じゃ無かったよね？
｢ハッ、まあ占いなんてどれも適当に書いてあるんだよ。特に意味なんて……えっ？｣
その時。彼の体が宙へと浮かんだ。そのまま空へ10mほど浮かび、公園の方へ飛んでいってしまったのだ。
｢うわあああああ！｣

｢桃のような学園長のおしりにドビューンと飛んでいって……。｣
｢おならが起こした風を顔面で受けてチーン……。｣
｢本当に占い通りになっちゃったね。｣
｢あれ、最後の鼻栓は何だったんだ？｣
そんな会話をするクラブのみんなを放っておいて、リュウスケ君に近づく。彼をよく見ると、手形のような形の妖気が強く残っていた。