桜樹の守人 (ページ41)

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今からYSPクラブはあの長い行列を並んでチョコレートを買いに行くらしい。さっき見た限りでは行列は学園内や部室、砂漠、森、さらに海なんかも通っていたけど大丈夫かな……？
まあ、私が予約してることを言う前に行ってしまったので、彼らのことは自分自身で何とかしてもらおう。

さてさて、所変わってここはチョコレートファクトリー。
｢こんにちは。予約していた桜樹ですけど、チョコレートを受け取りに。｣
｢ようこそアル。フォーチュンビターブラック12個、持っていくネ。｣
｢お代はこれを。ありがとうございました。｣
店員さんと少しだけ話して、Aは伝説のフォーチュンビターブラックを手に入れた！……なんちゃって。
早速私の分を食べてみる。が、味は割と普通……？美味しいか美味しくないかで言うと微妙な感じだ。中の紙を見ると、『汝、初恋の人と再会。今までよりも親密な仲へ』と書かれていた。
｢初恋、ねぇ……。｣
確かに私にはそんな相手がいる。人と呼ぶのかはさて置きだ。だが、少なくとも今は会えるはずがないことを知っているし、一体どれだけ未来の事なんだろうか？
そんな風に考えていると、ファクトリーからリュウスケ君とYSPクラブの4人が一緒に出てきた。
｢大人気のこのチョコを園等先生や先輩にプレゼントすれば……えへ、えへへへへ。｣
｢鼻の下伸びてる。キモい。｣
｢九尾先輩ってぶっちゃけ残念よね。｣
｢グルルルル……！｣
｢あっ、ちょ、キュウビ殿ステイ！｣
私と一緒にいる狐は本家軍副大将のキュウビであり、ある町で紅蓮の親方と呼ばれたり理科の先生になったりしていた、正真正銘のエリートキュウビだ。
一方リュウスケ君は紅蓮の親方の弟子的な存在のキュウビだったらしいので、(それでもAランク級の力はあったそうなのだが。)こうやってハメを外した(？)時に飛びかかりそうになってしまう。
彼の安全のためにも、その変顔とか奇行を今すぐ無くして欲しい。