桜樹の守人 (ページ33)

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｢人間は元々ゲスばかり……俺は人間が大嫌いなんでゲス！｣
と言うゲスパイダー。
｢違うんだ！話を聞いてくれ！｣
｢うるせぇ！ゲス野郎がぁ！！｣
止めようとした後藤先生をゲスパイダーが跳ね飛ばす。
｢後藤先生！｣
私は咄嗟に走って後藤先生を受け止めた。ちょっと地面で擦ったけど、受身は取れたからセーフ？
｢この野郎！暴れて人を2人も傷つけるなんて、お前こそゲス野郎だぜ！針でぶっ刺して標本にしてやる！｣
｢飾る場所無さそうだけど……。｣
睨みつけるゲスパイダーもお構い無しにハッキリと言うジンペイ君と突っ込むサン太夫君。
｢お前の時間だ！バケーラ！｣
〈ワーイ！〉
｢変身！｣
今日はジンペイ君も急いでいるのか、変身音を短縮している。
｢紅く染まったこの躰、御主の血で更に紅くなる、の巻！｣
いつものように桜を背に、彼は紅丸へと変身した。
｢捻り潰してやるでゲスー！｣
紅丸を掴もうとするゲスパイダーだが、紅丸は華麗に避ける。
｢逃がさねえでゲスッ！｣
が、一応七不思議の彼は、今は8本ある腕？脚？を次々に伸ばす。
時に刀で応戦しながら躱した紅丸だったが、蜘蛛の最大の武器、糸によって足首が捕らえられてしまった。
｢ぐはっ！｣
何度も地面へ叩きつけられる紅丸。私も助けたいが、彼らの成長を促すにはどこまで介入すべきか分からない。
｢紅の親分！｣
そんな時。ゲスノートの効果が切れたメラ君とカズマ君がこちらへ走ってきた。のだが……
｢こっちも変身するぞ！獅子黒！｣
｢させねぇでゲスー！｣
｢なんだこりゃあ！？｣
｢くそっ！｣
彼らもまた網に捕まってしまう。