桜樹の守人 (ページ25)

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彼が話していた桂馬君だが、ただ記者の質問に答えていただけのようだった。
……途中までは。
｢謙虚だね〜。｣
｢好感度高いわ〜。｣
そんな褒め言葉をサン太夫君とフブキちゃんが口にした瞬間、さっきの根民君が去っていった方向から妖力が線になり、桂馬君へと迸った。
｢！！？｣｢｢！！！｣｣
｢ん、どうしたんだ？A先輩！｣
なにも反応しないジンペイ君。
気づいたのは私とこの方たち(・・・・・)だけのようだ。流石はSランク妖怪、しかも私が認めた人たちである。動物になっても索敵能力は衰えていないようだ。
｢得意な攻め方はなんですか？｣
と聞く記者の人。
｢そうですねぇ、やはり相手の金を……潰すことぉ！！！｣
そういきなり叫んで桂馬君は、とても口にできないような攻撃を記者さんに次々と喰らわせていった。
｢｢ええーっ！！！！？？｣｣
｢おおっ、凄い技だ！｣
｢………………………………。｣
真っ青になって叫ぶサン太夫君とフブキちゃん。
素直に感心するジンペイ君。
絶句する私。
ちなみに4匹も顔が青ざめている。まあ、オスだし？多分。痛みが分かるのだろう。
｢これぞ王手玉刺しでゲス〜！｣
さっきまでと違う口癖をいきなり言いながら、ゲスゲス笑って彼は立ち去った。
｢……最っ低。｣
｢同感だよ、フブキちゃん。｣
｢勝負の世界に身を置いてるとあんな風になっちゃうのかな……。｣
｢いや、違う。｣
ここで登場したのはYSPクラブの参謀、マタロウ君だ。
｢アレは恐らく、ゲスノートの仕業だ。｣
｢なにぃ、下痢ノート！？｣
｢ゲスノート！｣
お約束の聞き間違いギャグが今日も冴えてるジンペイ君。
因みに、ゲスノートとは学園七不思議、【名前を書かれたらゲスになるゲスノート】のことだろう。
いきなり七不思議とは、変身フラグが立ったような気がするのは気のせいだろうか？