桜樹の守人 (ページ23)

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｢うう……ヒデオさん！｣
号泣する時計君。
｢別れは辛いけど、あなたがすべき事は、しっかり前を向いて時を刻んでいくこと。そうでしょ？｣
フブキちゃんの言葉に、時計君は泣くのを止める。
｢前を、向いて………………みんな、ありがとう。ありがとう！｣
柔らかい光に包まれ、彼は少し違う時計の姿になった。
｢あなた、誰……！？｣
｢どうも、ブロッケンクロックです！｣
｢ブロッケンクロック？｣
｢おめでとう、フブキさん！｣
カツカツとヒールの音を鳴らしてやってきたのは園等先生。
｢園等先生！？いつから居たの？｣
｢あなたもついにYSP能力を開花させたわね。あなたをYSP能力者として認めるわ。これはその証よ？｣
そう言って彼女が差し出したのは、赤のマークがついた時計。
｢あっ、YSPウォッチだ！｣
｢その怨霊に近づけてみなさい！｣
するとブロッケンクロックは吸い込まれ、変身メダル『クロックレディ』、技メダル『タイムバインド』、召喚メダル『ブロッケンクロック』、そして七不思議メダル『呪われた古時計』が出てきた。
｢怨霊を浄化させたことで、その力がメダルになったの。これからはあなたにも戦ってもらうわ。妖怪ヒーロー"クロックレディ"として。あと、あなたもね。｣
そう言って先生が指さしたのは、私だった。
｢……えっ！？｣
先生は私に近づき、(あなた、戦えるでしょう？これから敵も強くなるだろうし、お願いね。)とこっそり言った。
(……ガワだけでもいいから、ウォッチを私にもくれるならね。流石にウォッチ無しの変身は目立って嫌だしさ。)
あと、普通にカッコイイし。
｢取引成立ね。あなたは"ブロッサム"として戦って頂戴。｣
｢新ヒーロー、一気に2人もキター！｣
｢これからよろしくな、ブロッコリーコロッケ！｣
｢ブロッケンクロックですっ！｣
こうして、フブキちゃんのピンチを助ける形で私たちはまた七不思議を解決した。だけど、次の案件があんなに厄介だったなんて……

｢ところで、そろそろ学校行かないとやばくないかな？｣
｢えっ？｣
現在、9時過ぎである。
｢｢遅刻だーっ！？｣｣