桜樹の守人 (ページ20)

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｢……これは、ただの暇つぶしなんかじゃない。｣
核心に切り込むマタロウ君。
｢君が夜中に時々泣いたり、時間を戻したりするのは、昔に戻りたいからじゃないのか！｣
｢どういうこと？｣
｢サン太夫君。多分あの時計君は、横に彫ってあった名前の持ち主、ヒデオさんとヨシエさんと暮らしてた頃に戻りたいんだ。｣
｢ぐっ！｣
更にマタロウ君は攻める。
｢その頃に戻りたいという気持ちが、君という怨霊を作り出したんだ。｣
｢そういう事か！｣
｢別に戻りたくなんかねーよ！｣
と言う時計君。
ヒデオさんとヨシエさんと昔から暮らしていた時計君は、2人やその子供たちと家族だと、心が通じあっていると信じていたらしい。しかし、急に箱に詰められ、別の場所へ送られてしまったのだ。
｢俺は捨てられて、人間が大っ嫌いになった！ああ！俺は人間が大っ嫌いだ！！｣
時計君はヒステリックに叫ぶ。
｢それで今日みたいなイタズラを……｣
｢ああ！昨日の夜の、コイツの幸せそうな顔が憎たらしかったからな！それでその女と野良犬に呪いをかけて、イタズラしてやったのさ！｣
叫ぶ時計君。そこにこの前のような黒い何かが飛んできて彼に入り込んだ。時計君は少し苦しんだ後……
｢ウフフフフフ……｣
笑いながら煙の中から現れたのは、【怨霊クロックマン】だ。
｢愚かな人間どもめ……懲らしめてやる！｣