桜樹の守人 (ページ18)

今日:20 hit、昨日:0 hit、合計:2,312 hit

2 ページ18

｢それって、ひょっとしてタイムリープのこと！？｣
｢……多分そうだと思う。｣
｢ｷﾀ━︎━︎━︎━︎!!｣
叫ぶのはわかるけどマタロウ君、それ結構フブキちゃんに失礼じゃないかな？
｢おいなんだよ、その大ブリーフって。｣
｢タイムリープ。なにかのきっかけで過去に戻って、同じ時間を何度も繰り返したりする、SF映画で定番のやつだよ。｣
なんだか得意げなマタロウ君。
｢スゴいなぁ〜！…でも、なんでそんな事が起こるんだろう。｣
｢わかんないけど多分、犬のウンチが引き金だと思う。ウンチを踏むと、頭の中でボーンボーンって音がなって、また今日の朝に戻るの。｣
｢ボーンボーン……｣
｢なんか聞いたことがあるようなないような……｣
ボーンボーンって音。それ、ここ2年間と少し、ずっと聞いてるような……
｢ゲコ？｣
自分の分のご飯も食べ終わったので、4匹を席に置いて1年生組の会話から抜け出す。
じっと目を凝らして食堂の壁掛け時計に近づくと、ちょっと妖力が見えた……気がする？
｢おーい、A先輩！何してるんだー？｣
ジンペイ君に返事をしようとしたその時。

ボーン……ボーン……

丁度時計が鳴った。
｢これ、この音だったかも！｣
むむ。いつの間にか1年生組も近くに来ていたようだ。
｢やっぱり。犯人はこの古時計だったんだ！｣
｢｢｢えっ？｣｣｣
マタロウ君以外の3人の声が揃った。
｢これは学園七不思議の1つ、『呪われた古時計』だよ。｣
｢あぁ、私も聞いたことがあるよ。確か夜中に鳴き出して、その声を聞いたら呪われるんだっけ？｣
｢はい、その通りです。先輩。｣
時計の妖怪なら時間を戻しても変じゃないし、今回の犯人は確定だろうか。