六話 ページ8
『……なるほどね』
人形を片手に俯きボソボソと独り言を呟いていたであろう自分を不思議に思ってか、ナワーブさんは顔を覗き首を傾げた。
「どうしたA。大丈夫か？」
『あぁ、大丈夫です。中身は……人形でした。四つあるので一つはナワーブさんに渡しておきますね』
ごく普通に。
当たり前であるかのように笑みを浮かべては人形を渡す。
キョトンとした表情で受け取った人形を見ている彼にこう告げる。
『きっと人形が守ってくれます。御守りみたいな物ですから』
「へぇ、変わった人形だな。でも、ありがとう」
彼はニコリと笑えば手のひらサイズの人形を仕舞っていた。
仕事の時通りならば、一体につき一回限りか…と人形の効果について推測を立てておく。
しかし実際に使ってみなければやはり分からない。
あまり変に推測するのもいけないなと思い、考えるのを止めておいた。
黙々と作業していたお陰が、あっという間に暗号機の解読が終わった。
ガチャッという音と共に暗号機に明かりが灯る。
全部で五個の解読をしなければならないと聞いていたため、他を探しに行こうとした、その時。
『……ん？』
少し心臓が跳ねる感じがして首を傾げる。
気のせいだろうか。
しかし気のせいではなかったようで傍に居たナワーブさんに手を引かれれば墓石の陰に隠れる。
『何かありました？』
「静かに…」
そう言われて黙って様子を見ていれば、赤い光が見えた。
あれはハンターの。
続いて背の高い人の姿が見える。
あの人がハンターなのだろうか…。
鼻歌を歌いながら去っていく姿を見て機嫌がいいのだろうか、などと考えてしまった。
「行ったな……今日の相手はリッパーらしい。あいつの手見たか？」
『手……何か長かったな、とは思いましたけど』
「あれがリッパーの武器だ。たまに霧を飛ばして攻撃して来るから背後には気を付けろよ」
『うわぁ、怖いですね……気を付けます』
リッパーと呼ばれたハンターについて丁寧な説明を受ける。
直線的に走らない方が良さそうだ。
逃げる時の算段を立て次の暗号機へ、と思った時「ハンターが近くにいる」との声がした。
ウィラさんだ。
ナワーブさんは様子を見てくる、と言い残しそちらの方向へと走って行った。
『……さて、残りは何処か』
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夏目(プロフ) - 続きってないんですか？ (2019年7月18日 15時) (
レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜漬け(プロフ) - りょうです。さん» ありがとうございます！そう思って下さっている方が居ると知れて嬉しいです^^* 励みになります！ (2019年2月28日 19時) (レス) id: 414c0d4d99 (このIDを非表示/違反報告)
りょうです。(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！！待ってます！！ (2019年2月23日 23時) (レス) id: f9bb48da83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜂蜜漬け | 作成日時：2019年1月29日 5時
