五話 ページ7
『ナワーブさんの説明通りだ…』
硝子が割れる音と共に、自身が見慣れない場所に立っていることに気づく。
ここは何処だろうか。
墓石が沢山目の前に並んでいることから、ここは墓場かと思う。
他の三人も見当たらないため暗号機を探そうと歩き出す。
説明によれば光るアンテナがあるとか…。
『……あれ、かな？ 近っ』
上空をぐるりと見渡していれば、すぐ後ろに光るアンテナを見つけ思わず本音が出てしまった。
もっと歩き回って探すものだと思っていたため、少し拍子抜けだ。
墓石の裏に回れば暗号機本体が現れる。
見たことの無い形なためどうすればいいのだろうかと悩んでしまう。
『……どうするんか』
「おーい、Aっ」
『あ、ナワーブさん』
暗号機をつついて居れば、後ろから声が掛かる。
振り返ればナワーブさんが走って来るのが見え会釈した。
丁度いい、彼に暗号機の使い方を聞こうと思えば、先に彼が口を開く。
「早いうちに合流出来てよかった。暗号機の直し方を説明して無かっただろ？」
『……もしかして探してくれたんですか？』
「…？ そうだけど、どうかしたか？」
『あ、いえ…何でもないです。わざわざ有難う御座います』
予想外だった。
ゲーム開始早々、何処にいるか分からない人を探して説明をしに来てくれるとは。
″親切″
そう言うべきだろう。
「じゃあ説明するな」と言って暗号機を触っている彼。
その説明を聞き逃さないようにしようと、自身も近づき暗号機に触れる。
見様見真似で動かしていれば、こんなので大丈夫なのだろうかと疑問を抱いてしまう。
しかしナワーブさんは何も言わないし、きっと合ってるのだろうと自己解決をし手を動かし続ける。
「……そういやぁ、Aの持ち物は腰に着けたポシェットだよな。何が入ってるんだ？」
向かいから尋ねられれば、そういえば確認していなかったと思い出し解読を止めてポシェットに手を伸ばす。
ボタンを外し中を見れば、見慣れた人形が四つ入っていた。
『これは……何故ここに』
あの仕事を辞めてからは一切作っていなかった人形がポシェットから四つも出てきた事に驚きを隠せなかった。
人形……身代わり人形と呼んでいたソレ。
何故なのかと、少し考えれば分かることだった。
元身代わり師で、身代わり人形があるということは、ゲーム内で身代わりになれということなのだろう。
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夏目(プロフ) - 続きってないんですか？ (2019年7月18日 15時) (
レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜漬け(プロフ) - りょうです。さん» ありがとうございます！そう思って下さっている方が居ると知れて嬉しいです^^* 励みになります！ (2019年2月28日 19時) (レス) id: 414c0d4d99 (このIDを非表示/違反報告)
りょうです。(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！！待ってます！！ (2019年2月23日 23時) (レス) id: f9bb48da83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜂蜜漬け | 作成日時：2019年1月29日 5時
