四話 ページ6
「あぁ、エントランスに行ったら丁度居たから誘って来たんだ」
「へぇ……随分と美少年が来たのね。お名前は？」
美は余計だが少年と思われているようだ。
それに否定の言葉を告げる訳でもなく、椅子に座れば挨拶をする。
『初めまして、Aです。色々と教えて頂けると幸いです』
笑顔を貼り付ければ二人に頭を下げる。
不審がられないように、溶け込むように…。
決して人が苦手だなんて悟られないよう。
「私はウィラ・ナイエルよ。調香師だから匂いには敏感なの。……貴方からは自然の匂いがするわね」
『山の奥から来たので、きっとそのせいかもしれないです。お嫌いでしたか？』
「いいえ、そんなことないわ。貴方にとても合ってる」
『それは良かった。有難う御座います』
彼女との会話も一区切りついた時、ちらりと奥の彼を見る。
ただ静かに座っている彼を見ていれば目が合った。
驚いたように目を見開いては視線を泳がせている。
あぁ、人とのコミュニケーションが苦手なのだろうか。
察しがついたためこちらから尋ねることにした。
『あの、初めまして。Aといいます。貴方の名前を教えて頂けますか？』
「っ……い、イソップ・カール…です」
『イソップさん、ですか。宜しくお願いします』
マスクもあってか、とても小さな声だったがなんとか聞き取れた。
彼の目の前には大きな鞄が置かれていて、重そうだなぁ…等と思う。
ゲームって、そんなに動き回りはしないのかな…。あれを持って、なんてなかなか出来ないだろうし。
「A、お前ゲームに関しては聞いてるのか？」
ずっと鞄ばかり見ては考えていた自分。
突然後ろから名前を呼ばれ振り返ると、ナワーブさんが頬杖をつきながらこちらを見ていた。
『すみません、ゲームについては全く知らないので……基本知識だけでも教えてもらえますか？』
それから、ゲーム開始までの短い時間で基本的なことは頭に叩き込んだ。
とりあえずはハンターと呼ばれる鬼から逃げつつ暗号を解読しろと、そんな所だろう。
三人の職はナワーブさんが傭兵、ウィラさんが調香師、イソップさんが納棺師。
聞いたもののゲーム内での役割なんて全く分からないままで、オマケに自分のことも分からないまま。
実践してみて…だろうか。
まあ、鬼ごっこみたいなものだろう。
大丈夫でしょうな。
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夏目(プロフ) - 続きってないんですか？ (2019年7月18日 15時) (
レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜漬け(プロフ) - りょうです。さん» ありがとうございます！そう思って下さっている方が居ると知れて嬉しいです^^* 励みになります！ (2019年2月28日 19時) (レス) id: 414c0d4d99 (このIDを非表示/違反報告)
りょうです。(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！！待ってます！！ (2019年2月23日 23時) (レス) id: f9bb48da83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜂蜜漬け | 作成日時：2019年1月29日 5時
