十話 ページ12
「おや、もうですか」
少しばかり残念そうなリッパーの声が聞こえたと同時に、ウィラさん、ナワーブさん、双方から″早く逃げて″との声が上がる。
しかし今自分は追われているのだ。
『こちらが言いたいぐらいだ。』という想いは飲み込み、″ハンターが近くに居る″と教えることにした。
『墓場近くのゲートまで……行けるか』
ウィラさんを探している間、一度見た景色だったためゲートまで行けるかどうか考える。
しかし長い時間与えられるはずが無く、リッパーからの逃亡が再開された。
「Aさんだけでも吊らせて頂きましょうか」
『っふ……出来れば皆さんと逃げたいのですが、見逃して下さいよ』
感情が昂っているせいなのか、追われていても笑ってしまう。
丁度いい窓枠があり乗り越えようと手に力を込めれば、先程負った傷なのか左腹部に激痛が走る。
躊躇った。
それがいけなかった。
「やっと追いつきました。さぁ、諦めて頂きましょうか」
『あー、やっぱり駄目ですか』
窓枠手前で振り返れば、長い爪を振り上げる姿を見た。
頭に衝撃を受け、視界が傾き地面に座り込んでしまう。
あぁ、痛みだ。
懐かしい。
頭を押さえ地面を見ているとリッパーの声が聞こえた。
「やはりあの不思議な現象は貴女の力だったんですね」
『不思議な、現象…?』
「傭兵、彼を攻撃した際、一切ダメージがありませんでしたから。しかし、一度も会っていなかった貴女が負傷状態だった。これは貴女の力でしょう?」
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夏目(プロフ) - 続きってないんですか? (2019年7月18日 15時) (レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜漬け(プロフ) - りょうです。さん» ありがとうございます!そう思って下さっている方が居ると知れて嬉しいです^^* 励みになります! (2019年2月28日 19時) (レス) id: 414c0d4d99 (このIDを非表示/違反報告)
りょうです。(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!!待ってます!! (2019年2月23日 23時) (レス) id: f9bb48da83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蜂蜜漬け | 作成日時:2019年1月29日 5時